第1回API地経学シンポジウムの開催について


【2021.06.22追記】ロバート D. ブラックウィル大使による基調講演全文をこちらに掲載しました。当日の録画動画を下記のとおり公開しております。是非ともご覧ください。

「国家が、地政学的な目的のために、経済を手段として使う」地経学の時代が到来しています。米中関係、人権問題、ミャンマーなど、次々に生じる地経学的課題に、政府は、企業は、個人は、どのような戦略を作り、どのように対処すべきなのでしょうか。一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)は、2020年4月にAPI地経学研究所(所長:村井純)を設立し、同年5月より「API地経学ブリーフィング」を毎週発行してまいりました。今般、一周年を記念し、War by Other Meansの著者であり、台湾が米中を巻き込む戦争を引き起こす最も危険なフラッシュポイントであるとの報告書を執筆したRobert D. Blackwill氏を招へいし、「API地経学シンポジウム」を下記の通り開催することになりました。奮ってご参加ください。

【2021.06.22追記】ロバート D. ブラックウィル大使による基調講演全文をこちらに掲載しました。当日の録画動画を下記のとおり公開しております。是非ともご覧ください。

開会挨拶

 

第1部基調講演 「米中関係と地経学:日米同盟の新たな意味合い」

 

第1部パネルディスカッション「地経学をめぐる日本の戦略について~国民安全保障国家の構築に向けて」

 

第2部(1)「アジア太平洋における地経学的挑戦」

 

第2部(2)「サイバー・テクノロジー分野での地経学的挑戦」

 

閉会挨拶

 

日時:2021年5月22日(土)10:00~15:10
形式:Zoomウェビナー(接続URLは登録時にご連絡致します)、日英同時通訳付き
主催:一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)

プログラム

10:00 開場
10:30 – 10:40 開会ご挨拶

船橋洋一 API理事長

10:40 – 11:10 【第1部】全体討議「地経学と日本の戦略」

基調講演「米中関係と地経学:日米同盟の新たな意味合い」
Robert D. Blackwill 外交問題評議会(CFR)シニアフェロー(Henry A. Kissinger Senior Fellow for U.S. Foreign Policy)

地経学の大家Blackwill氏が、「バイデン政権の対中政策の中で、どの分野でどのような地経学リスクが生じうるのか。日米同盟の役割と米国から見た日本への期待」を論じます。

11:15 – 12:15 パネルディスカッション
「地経学をめぐる日本の戦略について~国民安全保障国家の構築に向けて」

司会:
船橋洋一 API理事長

パネリスト:
前田匡史 株式会社国際協力銀行(JBIC)代表取締役総裁
松川るい 参議院議員、防衛大臣政務官兼内閣府大臣政務官
Robert D. Blackwill 外交問題評議会(CFR)シニアフェロー

基調講演を受け、我が国がwhole of societyアプローチにより国民安全保障国家を築くためにはどのような戦略を立てるべきなのか、また、我が国の政府・政府機関はどのような役割を果たし、企業はどのように対処すべきなのかを、論じます。また、オーディエンスからの質問にも回答します。

12:15 – 13:00 昼休憩
13:00 – 14:00 【第2部】個別討議「地経学的挑戦の現場」

(1)アジア太平洋における地経学的挑戦

司会:
鈴木一人 API上席研究員、東京大学公共政策大学院教授

パネリスト:
白石隆 公立大学法人熊本県立大学理事長
吉岡桂子 朝日新聞編集委員

第2部では、個別イッシューについて討議を行います。前半では、アジア太平洋における秩序の現状に変更を加えようとする中国の挑戦と、それが地域にもたらす意味合い、同地域における米国のプレゼンスとその役割をどう考えるか。また、同盟を重視する米国と一帯一路を推進する中国との間に挟まれる国々が、いかなる地経学的挑戦に直面しているのか。このとき、日本の使命とは何であり、どのような役割が求められるのかについて、議論します。

14:05 – 15:05 (2)サイバー・テクノロジー分野での地経学的挑戦

司会:
村井純 API地経学研究所長、慶應義塾大学教授、慶應義塾大学サイバー文明研究センター共同センター長、内閣官房参与(デジタル政策)

パネリスト:
長島昭久 衆議院議員
松原実穂子 NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

第2部の後半では、地経学挑戦を受けるフィールドは、GAFAやBATHといった米中を代表する企業がしのぎを削るパワーゲームの様相を呈すなか、日本はどのようにしてサイバー空間における役割と責任を果たし、そのセキュリティに貢献するのか、またどのようにして安全なデータの流通を主導できるのか。そして、自由で開かれたサイバー空間が発展するためには我が国に 何が求められるのか、産官学はどのように取組むべきなのかについて、議論します。

15:05 – 15:10 閉会ご挨拶

細谷雄一 API常務理事兼研究主幹、慶應義塾大学法学部教授

15:10 閉会

登壇者紹介


ロバート D. ブラックウィル
外交問題評議会(CFR)
シニアフェロー

外交問題評議会(CFR)のヘンリー・A・キッシンジャーシニアフェロー。ジョージ・W・ブッシュ大統領の下で、大統領副補佐官および戦略計画担当副国家安全保障顧問を歴任。また、2001年から2003年までは駐インド大使を務めた。最新の著書はジェニファー・M・ハリスとの共著である『War by Other Means: Geoeconomics and Statecraft』(ハーバード大学出版局、2016年4月)。また、バージニア大学のフィリップ・ゼリコウ博士との共著でCFR特別報告書『The United States, China, and Taiwan: A Strategy to Prevent War』(2021年2月)を著し、2021年3月1日にはWar on the Rocksの記事”Can the United States Prevent a War Over Taiwan? “において特別報告書への反応を取り上げた論考を発表している。

アスペン・ストラテジー・グループ、国際戦略研究所のメンバーでもある。


前田 匡史 (まえだ ただし)
株式会社国際協力銀行
代表取締役総裁

80年東京大学法学部卒。旧日本輸出入銀行に入り、旧大蔵省国際金融局係長(出向)、ワシントン駐在員、金融業務部企画課長、国際金融第2部次長、資源ファイナンス部長、経営企画部長、執行役員(インフラ・環境ファイナンス部門長)、代表取締役専務、代表取締役副総裁 CEOを経て、18年6月より現職。10年6月より12年12月まで内閣官房参与として、新経済成長戦略、システム輸出に関して、総理、官房長官に助言を行う。11年10月より13年10月まで原子力損害賠償支援機構運営委員、14年より17年まで英国国際戦略研究所(IISS)評議委員を務める。


松川 るい (まつかわ るい)
参議院議員
防衛大臣政務官 兼 内閣府大臣政務官

昭和61年 3月 四天王寺中学校 卒
平成元年 3月 四天王寺高等学校 卒
平成5年 3月 東京大学法学部第Ⅱ類(公法コース) 卒
平成5年 4月 外務省入省
平成9年 10月 ジョージタウン大学 国際関係大学院 卒
平成11年~14年 条約局法規課
平成14年~16年 アジア大洋州局地域政策課課長補佐
平成16年~18年 軍縮代表部(スイス)一等書記官
平成21年~23年 国際情報統括官組織首席事務官
平成23年~25年 日中韓協力事務局事務局次長(大韓民国)
平成26年~28年 総合外交政策局 女性参画推進室長
平成28年 2月 外務省退職
平成28年7月   参議院議員選挙(大阪選挙区)にて初当選。
以降  (参議院)  外交防衛委員会 委員
予算委員会   委員
ODA特別委員会 理事    など歴任
(自民党)  外交部会 副部会長
経済産業 副部会長
国際局 次長
女性局 次長
女性活躍推進本部 事務局長
中央政治大学院 副院長   など歴任


鈴木 一人 (すずき かずと)
API上席研究員
東京大学公共政策大学院教授

東京大学公共政策大学院教授。研究分野は、国際政治経済学、科学技術政策論、宇宙政策、安全保障貿易管理、経済制裁、エコノミック・ステイトクラフト、原子力安全、欧州統合、中東問題。立命館大学国際関係学部卒、英国サセックス大学大学院ヨーロッパ研究所博士課程修了(現代ヨーロッパ研究)。筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師・准教授、北海道大学公共政策大学院准教授・教授などを経て現職。国連安保理イラン制裁専門家パネル委員(2013-15年)。主要著作に、『技術・環境・エネルギーの連動リスク』(岩波書店、2015年)、『EUの規制力』(遠藤乾氏と共編、日本経済評論社、2012年)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店サントリー学芸賞、2011年)、『Policy Logics and Institutions of European Space Collaboration』(Ashgate Publishers, 2003)、『グローバリゼーションと国民国家』(田口富久治氏と共著、青木書店、1997年)など。

白石 隆 (しらいし たかし)
公立大学法人熊本県立大学 理事長

1950年生まれ。1972年東京大学卒業。1986年にコーネル大学より博士号取得。東京大学助手、助教授、コーネル大学助教授、准教授、教授を経て、1996年、京都大学東南アジア研究センター教授。2005年に政策研究大学院大学教授・副学長。 2007-18年日本貿易振興機構アジア経済研究所所長を兼任。2009年に内閣府総合科学技術会議常勤議員、2011年同非常勤議員、GRIPS学長(2011-2017)。2017年立命館大学特別招聘教授、2018年熊本県立大学理事長に就任。アジアの政治、政治史、国際関係を専門とし、著書多数。2007年紫綬褒章受章。2015年「講書始の儀」の進講者を務める。2016年文化功労者顕彰。2017年インドネシア共和国最高功労勲章受章。

吉岡 桂子 (よしおか けいこ)
朝日新聞編集委員
中国・国際経済担当

1989年に朝日新聞入社。経済部などを経て、中国(北京、上海)に通算8年間、駐在。17~20年にかけてバンコクを拠点にアジアから中東、欧州まで中国の「一帯一路」沿線各国を取材した。米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員(2007-08年)。主な著書に『愛国経済』(2008年、朝日新聞出版)、『問答有用』(2013年、岩波書店)、『人民元の興亡』(2017年、小学館)。

村井 純 (むらい じゅん)
API地経学研究所所長兼APIシニアフェロー
慶應義塾大学教授
慶應義塾大学サイバー文明研究センター共同センター長
内閣官房参与

1984年慶應義塾大学大学院工学研究科後期博士課程修了。東京工業大学総合情報処理センター助手、東京大学大型計算機センター助手、慶應義塾大学環境情報学部助教授を経て1997年より同教授。1999年慶應義塾大学SFC研究所所長、2005年学校法人慶應義塾常任理事、2009年慶應義塾大学環境情報学部長、2017年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科委員長。1984年日本初のネットワーク間接続「JUNET」を設立。1988年インターネット研究コンソーシアムWIDEプロジェクトを発足させ、インターネット網の整備、普及に尽力。初期インターネットを、日本語をはじめとする多言語対応へと導く。内閣高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)有識者本部員、内閣サイバーセキュリティセンターサイバーセキュリティ戦略本部本部員、IoT推進コンソーシアム会長他、各省庁委員会の主査や委員などを多数務め、国際学会等でも活動。2013年「インターネットの殿堂(パイオニア部門)」入りを果たす。2019年フランス共和国レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章。「日本のインターネットの父」として知られる。

長島 昭久 (ながしま あきひさ)
衆議院議員(自由民主党)

慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了(憲法学)後、
米国ジョンズ・ポプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)修士課程修了。
2003年 第43回衆議院選挙初当選、以来6期連続当選。
防衛大臣政務官、内閣総理大臣補佐官(外交・安全保障担当)、防衛副大臣を歴任。
現在、衆議院安全保障委員会筆頭理事、 自由民主党東京都第18選挙区支部長。

松原 実穂子 (まつばら みほこ)
NTT チーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省にて勤務。フルブライト奨学金を得て、ワシントンDCのジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院に留学し、国際経済・国際関係の修士号取得。修了後ハワイのパシフィック・フォーラムCSISにて研究員として勤務。帰国後、日立システムズでサイバーセキュリティのアナリスト、インテルでサイバーセキュリティ政策部長、パロアルトネットワークスのアジア太平洋地域拠点における公共担当の最高セキュリティ責任者兼副社長を歴任。現在はNTTのチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジストとしてサイバーセキュリティに関する情報発信と提言に努める。著書に『サイバーセキュリティ 組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンス』(新潮社、2020年度大川出版賞受賞)。

細谷 雄一  (ほそや ゆういち)
API常務理事・研究主幹
慶應義塾大学法学部教授

専門は、国際政治学、国際政治史、イギリス外交史、日本の安全保障政策。
立教大学法学部卒業、英国バーミンガム大学大学院国際学研究科修了(MIS)、慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程および博士課程修了。博士(法学)。北海道大学法学部専任講師、敬愛大学国際学部専任講師、プリンストン大学客員研究員(フルブライト・フェロー)、パリ政治学院客員教授(ジャパン・チェア)などを経て現職。安倍晋三政権において、「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員(2013年)、および「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員(2013年-14年)、国家安全保障局顧問会議顧問(2014年-16年)を歴任。自民党「歴史を学び、未来を考える本部」顧問(2015年-18)。主要著作に、『戦後国際秩序とイギリス外交 ―戦後ヨーロッパの形成、1945~51年』(創文社、サントリー学芸賞、2001年)、『外交による平和 ―アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(有斐閣、櫻田会政治研究奨励賞、2005年)、『外交 ―多文明時代の対話と交渉』(有斐閣、2007年)、『倫理的な戦争 -トニー・ブレアの栄光と挫折』(慶應義塾大学出版会、読売・吉野作造賞、2009年)、『国際秩序 ―18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』(中公新書、2012年)、『〔戦後史の解放Ⅰ〕歴史認識とは何か ―日露戦争からアジア太平洋戦争へ』(新潮選書、2015年)、『安保論争』(ちくま新書、2016年)、『迷走するイギリス』(慶應義塾大学出版会、2016年)、『〔戦後史の解放Ⅱ〕自主独立とは何か』(新潮選書、2018年)、『軍事と政治 日本の選択-歴史と世界の視座から』(編著、文春新書、2019年)など。


船橋 洋一  (ふなばし よういち)
API理事長

法学博士。元朝日新聞社主筆。英国国際戦略研究所(IISS)評議員。
1944年北京生まれ。東京大学教養学部卒。1968年、朝日新聞社入社。朝日新聞社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長、コラムニストを経て、2007年から2010年12月まで朝日新聞社主筆。米ハーバード大学ニーメンフェロー(1975-76年)、米国際経済研究所客員研究員(1987年)、慶應義塾大学法学博士号取得(1992年)、米コロンビア大学ドナルド・キーン・フェロー(2003年)、米ブルッキングズ研究所特別招聘スカラー(2005-06年)。2013年まで国際危機グループ(ICG)執行理事を務めた。著書に『シンクタンクとは何か』(2019年)等。


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(おことわり)
API地経学シンポジウムで表明された内容や意見は、講演者やパネリストの個人的見解であり、一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)やAPI地経学研究所等、スピーカーの所属する組織の公式見解を必ずしも示すものではないことをご留意ください。