PEP(政策起業家プラットフォーム)は、より良い日本をつくるための「政策起業家」たちのコミュニティです。
PEPとは
政策起業家について
官僚や政治家だけでは解決できない複雑な政策課題に向き合い、公のための課題意識のもと、 専門性・現場知・新しい視点を持って課題の政策アジェンダ化に尽力し、その政策の実装に影響力を与える個人のことを「政策起業家」と呼びます。
1.社会課題等の解決手段となる特定政策を実現するために、情熱・時間・資金・人脈、そして革新的なアイデアと専門性といった自らの資源を注ぎ込み、
2.多様な利害関心層の議論を主宰し、その力や利害を糾合することで、
3.当該政策の実現に対し影響力を与える意思を持つ個人(または集団)
<参照文献> Aviram et al(2019), “Wind(ow) of Change: A Systematic Review of Policy Entrepreneurship Characteristics and Strategies”, Policy Studies Journal, Vol 0, No 0. Kingdan(1984), “AGENDAS, ALTERNATIVES, AND PUBLIC POLICIES”,Pearson Education Inc. ジョン・キングダン/笠京子訳『アジェンダ・選択肢・公共政策 政策はどのように決まるのか』(勁草書房、2017年) 船橋洋一(2019)『シンクタンクとは何か 政策起業力の時代』(中央公論新社)
「政策」は、官僚や政治家のみがつくるものでしょうか
高い専門性を抜きには語りきれないテクノロジーの進展や、 現場知なしでは拾いきれない社会のニーズの多様化が叫ばれる令和の時代。 従来の省庁体制・法体系にとらわれたまま、今まで通り霞が関の立案能力だけに頼るだけでは、 現代の、そして未来の多くの課題は解決できません。 そこで、政・官・民・学・NGO/NPO 等が職種の垣根を越えて、 教育・子育てからテクノロジー、環境から外交安全保障まで、ありとあらゆる分野の社会課題解決 のため真剣に政策過程に向き合い、政策を「起業」する時代が到来しています。
<政策起業家の要素>
Mission: 公益に対する情熱と志
Mission: 公益に対する情熱と志
単なるエージェントとしてではなく個人的な志や情熱を持ち、そしてその課題意識が公のためになることが政策起業家には必要不可欠です。特定の企業や業界の利益誘導のための政策追求は政策起業とは呼べません。
Strategy: アジェンダ・セッティング力
Strategy: アジェンダ・セッティング力
現場知・専門知・新しい視点を持って政策課題を発見する力、また、政策上優先度の高い課題を主題とする力を持っていることが重要です。その課題をアジェンダ化するために、世の中が動く「政策の窓」を察知し、メディアを通じて人々の認知を向上させたり、政策従事者に提起したりする能力も必要となります。
Impact: 政策イマジネーション
Impact: 政策イマジネーション
政策実現のために粘り強く時間・お金・専門性などを投下し、政治家、官僚、自治体、関連団体などを巻き込んで利害の糾合・調和を図り、「実装」に影響力を与えることを指します。この実現には、革新的なアイディアや、政策プロセスに対する理解と、そのプレイヤー達の行動インセンティブに対する理解、つまり「イマジネーション」が不可欠です。
<政策起業の実践>
政策起業家の研究・協働・提携・育成・研修・認知の場を提供し、政策起業家がインパクトのある政策実現を主導できる環境づくりを目指し、「年に一度の『政策起業家』の集い」となる「PEPサミット」。議論の内容をPEP YouTubeチャンネルにて公開しています。
-
PEPサミット2022
PEPの軌跡と役目 / 政策起業の規律・倫理 / 子どもに関する政策起業 / 国際社会の連続政策起業 / 10年後の政策起業を考える
-
PEPサミット2021
政策起業の「今」 / リボルビングドア:官民の人材回転を考える / 政策起業のIPO? 「骨太の方針」から考える / ジャーナリズムと政策起業 / 政策のPDCAサイクル / 経済人のつくるエコシステム
「PEPゼミ」・「PEP政策インサイド」・「PEP Talk」の議論の内容の一部をハフポスト日本版およびPEP YouTubeチャンネルにて公開しています。
-
実験の民主主義
出版に至る背景 / 「プラグマティズム」と実験 / 民主主義における実験 / 実装するための民主主義
-
環境政策 & Climate Tech 政策入門
環境政策や各国の Climate Tech 政策事例 / 政策を考えていくうえでベースとなる考え方
-
AIホワイトペーパーってなに?
政策『ホワイトペーパー』とは / G7、サム=アルトマン、AIホワイトペーパー / 情報公開と政策起業
-
安倍政権は女性政策をどう進めたか
「認識フレーム」を変えた / 賃金格差など不十分な点も / アジェンダ・コントロールのリスク / ひとり親寡婦控除の実現に至る過程
-
脱炭素化社会の実現をIT企業から- 自治体巻き込むヤフーの挑戦
CO2排出元の大半は「データセンター」 / 自治体を巻き込む方法とは? / 企業連携による規制の変革を / 地域住民が主役の脱炭素
-
リーダーに必要なのは「まとめる力」じゃない
リーダーシップは「獲得できるもの」 / 指導者ではなく「始動者」 / 留学先で一刀両断された
沿革
3月
『シンクタンクとは何か―政策起業力の時代』を出版
独立系シンクタンクとしての8年近くの経験をもとに、中央公論新社より船橋洋一(当時:一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ 理事長)が『シンクタンクとは何か―政策起業力の時代』を2019年3月25日付で刊行しました。
5月
「21世紀日本の政策起業力プロジェクト」立ち上げ
「Policy Entrepreneur’s Platform」の前身にあたる「21世紀日本の政策起業力プロジェクト」を立ち上げました。新時代の日本の政策課題解決手法・ガバナンスのイノベーションの実現と、その担い手たる政策プロフェッショナル「政策起業家」のキャリア支援に貢献するため、調査研究やWebでの発信を開始しました。
9月
「政策起業力シンポジウム2019」を開催
「政策起業力シンポジウム2019」を2019年9月9日に東京大学公共政策大学院と共催で実施いたしました。令和時代の政策起業、パブリックキャリアの変容、国際政治における研究者・シンクタンカーの役割などについて、各界の有識者をお招きして議論し、また基調講演として小泉進次郎衆議院議員(講演当時、自由民主党厚生労働部会長)からもお話を頂きました。
11月
「PEP」発足
「21世紀日本の政策起業力プロジェクト」を政策起業家プラットフォームプロジェクトへと発展改組し、政策起業家のコミュニティである「PEP (Policy Entrepreneur’s Platform)」が立ち上がりました。
7月
新型コロナウイルス感染症の拡大による未曽有の危機に直面する今こそ、政策形成に業界の垣根を超えた結集の必要性が高まっています。知恵を出し合い、未来の日本を話し合う場としてオンライン・シンポジウムを行いました。
10月
「PEPゼミ」を開始
政策起業に関するノウハウの可視化・蓄積を目指し、「政策起業の当事者によるケーススタディ」を行う新しい試み「PEPゼミ」を実施していました。
7月
「PEPサミット2021~扉をひらこう」を開催
様々なステークホルダーが力を合わせて政策を実現する例が出てくる中、社会課題の解決において、政策起業家、経済人、ジャーナリストなどが、それぞれの異なる立場でどのような役割を担っていくのかについて、対話を重ねました。
12月
「PEPサミット2022」を開催
構造的に解決が難しく官僚や政治家だけでは解決できない複雑な政策課題に対して、政・官・民・学・NGO/NPO等が垣根を越えて協力し、公益のため社会のあらゆる叡智と力を結集し向き合う、新時代にふさわしい開かれた政策づくりが求められています。そんな中で、政策起業家の研究・協働・提携・育成・研修・認知の場を提供し、政策起業家がインパクトのある政策実現を主導できる環境づくりを目指し、「年に一度の『政策起業家』の集い」となる、本サミットを開催いたします。
6月
動画「PEP政策インサイド」を公開
政策を、民間からどう作るかーー。ノウハウが詰まった「PEP政策インサイド」。馬田隆明(PEPディレクター)が、政策の作られ方の解像度を上げる動画コンテンツ「PEP政策インサイド」をYouTubeにて公開しました。
9月
若手首長をお招きし、地方自治体をどう変革してきたかや、自治体マネジメントについて首長の政策理念をどのように組織に浸透させてきたかなどをお話いただく「PEP for Public Leaders」を2023年9月より実施しています。
ゲスト:
・高島宗一郎 福岡県福岡市長(第1回・第2回)
・熊谷俊人 千葉県知事(第1回)
・東修平 大阪府四條畷市長(第2回)
12月
第一回「PEP ゼミ for Climate Tech」を開催
Climate Tech スタートアップの領域は、スタートアップの中でも政策に大きくかかわる領域です。各国がカーボンニュートラルに向けて、各種の環境政策・産業政策・雇用政策・科学技術政策などを組み合わせながら進めている中で、日本でも適切な政策が実装されなければ、Climate Tech スタートアップの振興や次世代の産業の育成、そして2050年のカーボンニュートラルの達成ができません。12月18日に実施した第一回「PEP ゼミ for Climate Tech」では、環境政策や各国の Climate Tech 政策の事例を概観しながら、スタートアップやベンチャーキャピタリストが政策を考えていくうえでベースとなる情報・考え方を紹介しました。
1月
第一回「PEP Talk」を開催
PEP Talk は社会課題や政策を取り扱った書籍の著者にお越しいただき、書籍の背景等について伺う番組です。第一回「PEP Talk」では、2023年10月に『実験の民主主義』を出版された、東京大学の宇野重規先生にお越しいただき、その著作の背景にある思いなどをお伺いします。
事務局
神保 謙
常務理事(代表理事)
APIプレジデント
馬田 隆明
上席客員研究員
PEPディレクター