API国際政治論壇レビュー(2022年7月・8月合併号)


米中対立が熾烈化するなか、ポストコロナの世界秩序はどう展開していくのか。アメリカは何を考えているのか。中国は、どう動くのか。大きく変化する国際情勢の動向、なかでも刻々と変化する大国のパワーバランスについて、世界の論壇をフォローするAPIの研究員がブリーフィングします(編集長:細谷雄一 研究主幹、慶應義塾大学法学部教授)

本稿は、新潮社Foresight(フォーサイト)にも掲載されています。

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API国際政治論壇レビュー(2022年7月・8月合併号)

2022年9月30日

API 研究主幹、慶應義塾大学法学部教授 細谷雄一

画像提供:ロイター/アフロ

1.台湾有事ははじまるのか

■バイデン政権の最優先事項は対中抑止
2022年の夏は、ウクライナでの戦争が続く一方で、台湾情勢をめぐって中台関係や米中関係において緊張が高まった。いわば分裂と対立が、国際情勢における基調となりつつある。ウクライナでの戦争と台湾海峡における軍事的緊張が連動するなかで、アメリカがこれらの二つの危機にどのように関与するべきかについて、アメリカ国内では多様な議論が見られた。

ウクライナでの戦争によってアメリカの脅威認識が中国からロシアへとシフトしつつあるなか、エルブリッジ・コルビー元米国防副次官補は『ナショナル・インタレスト』誌に寄せた論考の中で、あくまでもアメリカにとっての最大の安全保障上の脅威が中国であることを強調する(1-①)。

アジアこそが世界最大の市場であり、米中対立こそが世界での最も重要な対立の構図である。したがって、ヨーロッパでどのようなことが起きようが、アジアにおける中国の覇権構築を防ぐことこそが、アメリカにとっての戦略上の最優先事項だと論じる。

そのような認識を前提として、コルビーは『フォーリン・アフェアーズ』誌に寄せた論文の中では、アメリカが台湾を防衛する重要性と、そのために、よりいっそうアメリカ自らも国防費を増額して、防衛態勢を強化する必要を力説している(2-②)。

ジョー・バイデン政権の高官たちは台湾への関与を強めるような発言を繰り返しながら、実際にはそのために必要で十分な措置を行っていない。脅威認識の高まりが、軍事能力の構築と整合していないのだ。そこでコルビーは、バイデン政権が直視すべき4つの必要な措置を提唱する。

第1は、国防費の増額である。地理的近接性を考慮すれば中国が軍事的に大きく優位であり、このままでは中国の軍事行動を抑止できない。第2には、国防上、必要な部門で十分に軍事費の支出を行うことだ。第3は、中国による台湾への軍事侵攻を防ぐために必要な、米軍のグローバルな戦力配置をよりいっそうアジア重視に見直すことである。それをコルビーは、「アジアへより多く、その他の地域はより少なく(More Asia, less elsewhere)」という言葉で表現する。そして最後の4つ目に必要な措置は、アメリカの同盟国がさらに国防費を増額し、軍事能力を強化することである。

コルビーから見ると、好むと好まざるとに拘わらず米中間の軍事衝突の瞬間は近づいている。必要なのはそのための準備であり、またそれが起きないための抑止力の強化である。

それゆえコルビーは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に寄せた共同執筆の論稿のなかで、アメリカでは中国と近い将来に戦うために必要十分な産業基盤がまだ整っていないため、装備を生産し修復するためによりいっそうの財政支出の努力が必要だと論じる(1-③)。

■長期的スパンでの米中競争
ウクライナでの戦争が勃発してから現在に至るまでの間に、中国は台湾問題をめぐってよりいっそうの攻勢に出ており、自らにとって望ましい国際秩序の創造に着手している。

戦略国際問題研究所(CSIS)の中国専門家であるボニー・リンとジュード・ブランシェットの二人は、『フォーリン・アフェアーズ』誌の共著論文において、ウクライナ戦争勃発当初は不利な立場に追い込まれていた中国が、最近ではむしろグローバルなパワーを確立するために攻勢に出ていると論じる(1-④)。

中国政府は、台湾海峡やウクライナ、そして世界全体において、アメリカこそがその「不安定要因」になっていると批判する。そして、中国こそが、21世紀のグローバルな安全保障を確保するための中心的な大国だと主張する。リンとブランシェットによれば、このような見解は、「グローバル・サウス」と呼ばれる第三世界の諸国では一定の説得力をもっており、そのことをアメリカはより深く認識する必要がある。

他方、スタンフォード大学のオリアナ・マストロと米中経済安全保障再検討委員会のデレク・シザーズは、「中国はまだ国力のピークには達していない」と題する論稿のなかで、習近平をはじめとする中国の指導層は中国の未来は明るいと考えており、自信に満ち、時間は自らに有利であると考えていると指摘する(1-⑤)。

だとすれば、アメリカは中国との戦略的競争において、より長いスパンでその競争に勝利しなければならないだろう。したがって、短期的な軍事衝突の可能性に対処するのみならず、長期的な時間軸の中での米中競争に勝利する努力も必要となるのだ。米中間の戦略的な競争において、短期的な軍事的優位性の確保を優先すべきか、あるいは長期的な優位性を摸索するべきか。論者によって力点が異なっている。

■アメリカ国内では対中協調論も
アメリカ国内では、コルビーのような対中強硬論に批判的な論調も少なからず見られる。

たとえば、アメリカの抑制的な対外政策を提唱するクインジー研究所の代表的な中国専門家であるマイケル・スウェインは、コルビー論文を批判し、そのようなアプローチを選択すれば、米中間での際限のない軍拡競争と、台湾以外への紛争の拡大を惹き起こす危険性を懸念する(1-⑥)。

スウェインによれば、中国の指導者たちは台湾を永久に失うよりは、台湾有事の緒戦で失敗することの方を選ぶ可能性が高く、中国の代表的な安全保障専門家もそのような選択を支持する可能性が高いという。だとすれば、アメリカ政府の強硬な対中政策こそが、軍事衝突勃発の引き金になるであろう、とスウェインは述べる。

■台湾有事をめぐる世論の本音
興味深いのは、コルビーのような対中強硬論者も、スウェインのような対中協調論者も、いずれも台湾問題をめぐって軍事衝突が起こる可能性が高いと認識していることだ。その上で、はたして台湾防衛のためにアメリカが軍事介入を選択するか、あるいは不介入を選択するかという、政策的な選択が問われているのだ。

たとえば、7月下旬に行われたシカゴ外交問題評議会による調査結果によれば、質問に答えたアメリカ人のうち76%が、中国が台湾に侵攻する可能性が高いとみている。中国による武力統一の可能性について、台湾ではそれほど懸念や緊張が高まっていないが、一方のアメリカでは最近、緊張が高まっている様子が顕著である(1-⑦)。

調査結果では、中国が台湾に侵攻した場合には、76%が外交的な関与や経済制裁にとどまるべきだと考え、65%が追加支援として台湾へ武器を提供することを支持しており、62%が中国による台湾封鎖を阻止するために米海軍艦隊を派遣するべきだと考えている。だが、台湾防衛のために米軍を派兵することを支持したのは40%にとどまっている。

つまり、ウクライナへの支援同様、アメリカ市民はアメリカの関与を経済制裁や武器供与にとどめることを好んでいることが分かる。政治的には台湾に対して連帯の意志を表明しながらも、アメリカの軍事介入に帰結するような決定には強い抵抗があるのだろう。

 

2.ペロシ議長の訪台をめぐる緊張と動揺

■米国内でも批判を招いた訪台
このようにして、台湾危機をめぐる論稿がこの夏に数多く見られた理由の一つに、8月2日にナンシー・ペロシ米下院議長が下院議長として25年ぶりに台湾訪問を実行したことが挙げられる。中国政府は事前に、ペロシ議長の訪台を「決して座視しない」と、激しい言葉で繰り返し批判していた。一発触発の空気が溢れ、これを契機に軍事的衝突が起こることも懸念された。

このタイミングでペロシ議長が訪台することには、アメリカ国内では批判的な見解が多く見られた。

たとえば、東アジア専門家でジャーマン・マーシャル・ファンド(GMF)アジア・プログラム部長のボニー・グレイザーとアメリカン・エンタープライズ・インスティチュート(AEI)のザック・クーパーは、『ニューヨーク・タイムズ』紙に寄せた論稿の中で、この訪問が台湾海峡での緊張を高め、米中衝突に繋がる危険性もあるとして警鐘を鳴らした(2-①)。

習近平が秋の共産党大会での異例の党総書記三期目を目指し、中国共産党指導層内がきわめて敏感なこの時期に、中国政府がアメリカに対して弱腰の姿勢を示すことはできない。また、一部の下院議員が進めている台湾政策法案が、従来のアメリカによる「一つの中国」政策を大きく修正するものになるという懸念が中国国内では見られる。このような背景も踏まえ、グレイザーとクーパーは、この時期のペロシ議長訪台が「あまりにも危険すぎる」と警鐘を鳴らした。

同様に、米外交問題評議会のデイヴィッド・サックスもまた、習近平がこの秋の共産党党大会で総書記三期目に入る予定であること、そもそも中国国内では政権のゼロ・コロナ政策に対する不満が高まっており、習近平が台湾海峡危機を利用して国内での支持を高めようとするかもしれないことなどを踏まえると、今回のペロシ議長の訪台はタイミングの面で懸念すべきものであり、台湾訪問を秋の共産党大会以後に延期すべきだと論じた(2-②)。

ペロシ下院議長自らが、11月の米中間選挙を経て下院議長の任期が終わろうとしている中、長年の議員生活の「花道」として台湾訪問を利用しようとしていることは否めない。

8月2日付の『ワシントン・ポスト』紙においては、ペロシ議長自ら、台湾訪問の意図を説明する文章を寄稿している(2-③)。

ペロシ議長は、自らの台湾訪問は、民主制である台湾にアメリカが関与することを再確認し、人権侵害を続ける中国のような専制国家には屈服しない毅然とした姿勢を示すためのものである、という。今や世界は民主主義と専制主義の選択を迫られており、決して専制主義の圧力に屈してはならないのである。ペロシ議長によれば、43年前に米下院が台湾関係法を通過させてから、アメリカと台湾の間には民主主義や自由、人権の遵守などの共通の利益や価値があり、そのため今回の訪台は、民主主義のパートナーである台湾に対するアメリカの連帯を示すものである。

■駐米中国大使による非難
当然ながら、このようなペロシ議長の訪台に対しては、中国からの厳しい批判が噴出した。

たとえば、その翌日の8月3日の『人民日報』紙においては、「祖国統一を実現する中国政府と中国人民の決意は盤石である」と題する論稿の中で、ペロシ議長の訪台が「一つの中国」原則および、米中間の三つの「共同コミュニケ」の重大な違反となり、米中関係に深刻な打撃を与え、中国の主権および領土の一体性を侵害したとして批判した(2-④)。

これらの行動が「台湾独立」分離勢力に誤ったシグナルを送ることになり、結果的に中国が今後、対抗措置をとらざるを得ず、その責任はすべてアメリカおよび「台湾独立」分離勢力が負わなければならないと、非難する。

また、ワシントンDCに駐在する秦剛中国大使は、『ワシントン・ポスト』紙に寄稿して、ペロシ議長の訪台とそれに対する台湾の民進党の歓迎がきわめて無責任であり、挑発的で、危険な動きだと批判した(2-⑤)。

秦大使は、「一つの中国」原則は戦後国際秩序の不可欠な一部であり、国際社会の「総意」であるため、「ルールに基づく国際秩序」の擁護を主張するアメリカ政府は、このような国際社会の「ルール」に従わなければならないはずであるにもかかわらず、アメリカはそれに背き、「台湾独立」勢力を活気づけ、従来の「一つの中国」原則と、米中間の三つの「共同コミュニケ」に違反した行動をとっている、と主張する。

他方、この寄稿においては、新型コロナやロシア・ウクライナ戦争が長期化する中で米中の協力が必要であり、また他国との連携も重要だとして、アメリカとの緊張を高めることを避けようとする姿勢も示されている。

一部の報道では、ペロシ議長訪台の事前に、アメリカのホワイトハウスと中国の共産党指導層との間では、この問題を両国間の軍事衝突へと発展させないための一定のコミュニケーションがあったことが伝えられ、台湾の内部でもおおよそ冷静な対応が見られた。しかし、直ちに中国が台湾を武力統一することはないとしても、これを契機に中国が大規模な軍事演習を行ったことは、中国政府がそのための準備を怠っていないことを明らかにした。

 

3.台湾海峡のニュー・ノーマル?

■対応が分かれた日本と韓国
中国政府は、ペロシ議長の訪台をめぐる批判の対象をアメリカから日本へも広げ、アメリカとますます行動を一体化させる日本政府も非難した。

8月5日の『環球時報』紙は、台湾問題について言及する資格が最もない国が、巨大な歴史的罪を犯した日本である、とする社説を掲載した(3-①)。

社説は、日本がペロシ議長訪台を機に緊張を煽り、火事場泥棒を働こうとしている、と続く。日本は中国人民解放軍の弾道ミサイルが「日本の排他的経済水域(EEZ)」に落下したと言うが、この海域は境界線が確定されておらず、仮に日本のEEZであったとしても、中国は軍事演習を行う権利があるとし、あくまでも、「航行の自由」や「ルールに基づく国際秩序」に従った行動だ、と主張する。そもそも中国にとっては、アメリカを攻撃するよりも日本を攻撃する方が容易であり、日本が標的となることを自覚するべきとして、「中国への内政干渉は必ず痛みが伴う」と警鐘を鳴らす。

ペロシ議長訪台に理解と支持を示した日本と対照的であったのが、韓国である。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は自らが「休暇中であるため」として、台湾に続いて韓国を訪れたペロシ議長との面会を行わなかった。

それに対して、韓国の保守系『朝鮮日報』紙の8月4日付の社説では、批判的な主張が示されていた(2-②)。

社説は、ペロシ議長が今回のアジア歴訪で、蔡英文総統、シンガポールのリー・シェンロン首相、マレーシアのイズマイウ・サブリ首相、そして日本の岸田文雄首相と会談したにもかかわらず、尹大統領のみ会談しようとしなかったのは、米中に誤ったシグナルを送ることになる、との懸念を示した。

■米議会とホワイトハウスのずれ
ペロシ議長の訪台は、米中間の緊張を高める結果をもたらしたが、一部での懸念に反して、軍事衝突にまで発展することはなかった。しかし、中国政府は対抗措置として大規模な軍事演習を台湾付近で行った。それによって、このような大規模な軍事演習が繰り返されるという台湾海峡における「ニュー・ノーマル」が創り出された、とCSISのボニー・リンと米国防大学のジョエル・ウスノフは指摘する(3-③)。

政治的には台湾に対する国際世論の連帯が強化されたが、軍事的には中国軍がより活発に軍事活動を行う口実を与えてしまった、とリンとウスノフは論じる。そのようななかで、中国軍の活動をよりいっそうの緊張感をもって警戒・監視し、米台共同軍事演習を増やすことで、中国軍が創り出した「ニュー・ノーマル」に対抗するべきだと論じる。

フランスの政治学者であるリュック・フェリーも『フィガロ』紙で厳しい批判を展開した(3-④)。

最悪のタイミングで行われたペロシ議長の訪台は米中間の緊張を高めただけでなく、中国をよりいっそうロシアに接近させ、「アメリカ側から緊張を高めている」という口実を中国に提供してしまったとし、それゆえ「もはやアメリカが自由世界の警察官ではないことを、再度示した」と論じる。そして「ナルシスト的な栄光の瞬間を求めた」ペロシ氏は、「世界で最も強力な二人の独裁者」を接近させるような材料を提供するべきではなかった、と指摘する。

おそらくは、リチャード・アーミテージ元国務副長官とザック・クーパーの二人が『ウォー・オン・ザ・ロック』紙への寄稿で論じたように、米議会とホワイトハウスの間の認識のずれが、このような緊張をもたらしたのであろう(3-⑤)。

だとすれば、これから議会で討議される台湾政策法案においても、再び議会とホワイトハウスの間で認識のずれが生じるであろう。アーミテージとクーパーによれば、議会は「セオドア・ローズヴェルト大統領の助言通り、大股で歩くより、棍棒を見つけること」が重要だ。アメリカ議会が率先して米中の緊張をもたらすべきではない、というこの二人の指摘は、冷静で的確なものともいえる。

他方、米中間の緊張はつねにアメリカの側がもたらしている、という中国政府のプロパガンダにもわれわれは影響されるべきではない。中国が、従来よりもいっそう台湾への軍事的圧力を高めていることこそが、台湾がアメリカの支援を求め、圧力に対抗しようとする原因でもあるからだ。

 

4.長期化する戦争、不満が鬱積するヨーロッパ

■必ず来る「冬」という危機
地球の裏側のウクライナでも、緊張は続いており、戦争が終結する見通しが立たない。カーネギー国際平和財団のタティアナ・スタノヴァヤは、ロシアが戦争を継続する大きな理由として、自分たちが戦争に勝ち続けているとウラジーミル・プーチン大統領が認識している点を指摘する(4-①)。

キーウから撤退し、前例のない制裁を受け、国際的な非難に晒されていながらも、プーチンはすべてが計画通りだと考えている。いわば自らのプロパガンダに、自らが虜になってしまっているのかもしれない。プーチンは西側諸国が、選挙ばかりを考えてロシアに攻撃的な「悪徳な西側」と、ロシアとの正常な関係を望んでいるハンガリーのヴィクトル・オルバン首相、フランスの「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏、アメリカのドナルド・トランプ前大統領のような「善良な西側」とに分かれていると考えている。そのような世界観の中にいるプーチンとの間で、和解や停戦を摸索するのは難しい。

そのようなプーチンの独特な世界観とは別に、これから秋から冬にかけて、ヨーロッパの結束は次第にほころびを見せるようになるかもしれない。イタリアのナタリー・トッチ国際問題研究所(IAI)所長は、ヨーロッパで地政学的な亀裂が再浮上しつつあり、とりわけエネルギー危機に関連するロシアからの恐喝を前に、ポピュリスト政党が国内問題を優先するべきだと主張するようになることを懸念する(4-②)。

はたしてヨーロッパはこれからも、多様な利益や価値を束ねる結束と、ロシアの侵略を否定する決意を持続させることができるのだろうか。ヨーロッパの真価が問われるだろう。

エネルギー問題に詳しいS&Pグローバル副会長のダニエル・ヤーギン氏と、同社のグローバル・ガス・ストラテジストのマイケル・ストッパード氏は、「ヨーロッパの冬は、プーチンの春になるかもしれない」という『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙への寄稿論文の中で、ウクライナをめぐる戦争で、「エネルギー戦争という第二戦線が開かれた」と論じる(2-③)。

すなわち、エネルギー価格が高騰することで、ヨーロッパ諸国では国内社会が混乱し、ウクライナ支援と対ロシア制裁の継続への疑念が高まるであろう。この先の展望が不透明な中において、確実に述べられる数少ないことが「冬は必ず来る」ことだと論じる。

フィガロ紙の元編集長であり、サルコジ元大統領の側近でもあったフィリップ・ヴィランは、『フィガロ』紙に寄せて、EU(欧州連合)の官僚が民主的な討議を経ることなく、一方的にウォロディミル・ゼレンスキー大統領への無制限の支援を提供する約束をしたことを批判した(4-④)。

「ロシアへの戦争は、いかなる代償を払ってでも?」と題するこの論稿の中で、ロシアとの戦争に向かって突き進んでいる政治家やテクノクラートを厳しく批判し、ヨーロッパの人々の生活はよりいっそう困難になり、破滅に進んでいると論じる。このような声がこれからどの程度強くなるかが、ヨーロッパ諸国のウクライナに対する支援の行方を決定づけるであろう。

■戦争の行方を決めるウクライナ支援
実際のところ、アメリカやヨーロッパでは依然として、ウクライナを支援してプーチン大統領の侵略の試みを挫折させる必要性を説く主張が色濃く見られる。

たとえば、ポーランド首相のマテウシュ・モラヴィエツキは、『ルモンド』紙に掲載した論稿の中で、ロシアの野蛮な本性が露呈したことを前提に、よりいっそうヨーロッパがウクライナ支援を行わなければならないと論じる(4-⑤)。

しかし問題は、EU内ではドイツやフランスの声が優先されることが多く、その両国がこれまでロシアに対する制裁にはしばしば躊躇してきたことである。モラヴィエツキ首相は、EU内において独仏両国の意向が優先される状況を「寡頭制」であると批判し、EUがより平等な組織として独仏以外の諸国の主張も尊重するべきだと論じる。そして、ウクライナでの戦争は、ロシアの本性のみならず、ヨーロッパの真実の姿も露呈したと述べる。

また、アメリカの国務省や国防省に勤務したデブラ・ケーガン、元ウクライナ大使のジョン・ヘルプスト、NATO(北大西洋条約機構)元事務次長アレクサンダー・バーシュボウら20名が署名した共同声明では、プーチンの帝国主義的な野心を挫折させるために、アメリカはウクライナの勝利に必要な武器供与を惜しむべきではないという見解が示された(4-⑥)。

バイデン政権は戦争のエスカレーションを怖れることで一定以上の関与を控えており、プーチン大統領の術中にはまっている。戦争のエスカレーションを回避しようとするこのような認識は、アメリカやヨーロッパで見られる一般的な認識と言える。だが、もしも欧米諸国がウクライナへと必要な武器支援を行わなければ、ウクライナの継戦能力が限界に直面する。これからは、増派により戦争での優位性を回復しようとするロシア軍と、欧米諸国などからのより広範な軍事的支援を必要とするウクライナ軍との、時間との争いになっていくかもしれない。

ブルッキングス研究所のウィリアム・ガルストンもまた、ウクライナに必要な武器を提供することが、現在では死活的に重要となっており、戦争の行方を左右すると論じる(4-⑦)。

ガルストンによれば、ウクライナがロシアの侵略を撃退できるとする極端な楽観論も、あるいはウクライナがロシアに抵抗することは不可能だとする極端な悲観論も、大部分は的外れであった。今後の展開を左右するのは、ウクライナが勝利のチャンスを手にするために、われわれがどれだけウクライナに対して必要な兵器を供与できるかである。したがって、まだウクライナの勝利のチャンスが残っているならば、今秋にロシアに対する反転攻勢を成功させるためにも、アメリカとのその同盟国はよりいっそうウクライナに対して兵器を提供することが重要なのだ。

おそらくは多くの論者が述べるように、この秋にエネルギー危機の中でどれだけヨーロッパ、そしてアメリカや日本がウクライナへの支援を強化できるかによって、戦争の命運が決するであろう。戦争は長期化するであろうが、それがどのような結末に至るかはまだ決定していない。しばらくは、シーソーゲームのような緊迫した状況が続くのだろう。

 

5. 「戦略的自立」と「欧州主権」

■ヨーロッパに求められる防衛能力向上
アメリカの対ウクライナ支援においては、一つの特徴を見出すことができる。すなわち、アメリカはウクライナや、おそらく台湾に対しても、直接的に自国の兵力を用いた軍事介入はしないということだ。その代わり、侵略国への制裁や同盟国・友好国などへの経済的支援および武器供与などを行う。このようなアプローチが好ましいものであると見ている。

それは同時に、軍事攻撃を受けた国が一定の期間、自らの軍事力に基づいて自衛的な措置をとり、継戦能力や抗堪性を向上させる必要があることを意味する。ウクライナはこれまでの期間、それに成功してきたのだ。

そのような主張を行うのが、クインジー研究所の共同創設者であるカーネギー国際平和財団シニア・フェローのスティーブン・ワートハイムである。ワートハイムは、ヨーロッパはアメリカに安全保障を依存するのではなくて、自らの安全を自ら守ることが重要であり、また可能であると主張する(5-①)。

ロシアによるウクライナへの侵略を受けて、ヨーロッパ大陸では地政学的な覚醒が見られ、より自律的な軍事力を構築する傾向が見られる。そして、ワートハイムは、それこそがヨーロッパにとっての本当の「転換点」を意味すると論じる。とりわけ、ヨーロッパで最大の人口を擁し、最も繁栄しているドイツがそのような戦略的自律を実践することが重要である。

アメリカのケイトー研究所シニア・フェローのジャスティン・ローガンもまた、ヨーロッパは自主防衛するための十分な能力を有しており、アメリカが過度に軍事的に関与し、安心を供与することは、そのようなヨーロッパの自主性や責任を損なう結果となり、アメリカにとっても過剰な負担になると指摘する(5-②)。

その論稿のタイトルが示すように、いわば「アメリカにとって、NATOは必要のない贅沢品」なのだ。現在のウクライナ危機を通じてヨーロッパの自主的な防衛能力を向上させることこそが、アメリカにとって必要な政策である、とローガンは論じる。

■アメリカ側からの「欧州主義」の要請
同時に、CSIS欧州プログラム・ディレクターのマックス・バーグマンは、アメリカのアジア重視路線の継続を前提として、アメリカの関心と資源をめぐるゼロサムゲームにヨーロッパは敗れており、今後よりいっそうヨーロッパは自らの力で、自らの安全を確保しなければならないと論じる(5-③)。

EUがよりいっそう軍事能力を構築することで、NATOのなかに欧州の柱が確立し、ヨーロッパがアメリカと肩を並べるパートナーになるであろう。そして、そのようなアメリカとヨーロッパの対等なパートナーシップが、大西洋同盟の絆をさらに強化すると論じる。

従来は、フランスなどのヨーロッパ諸国の側から、ヨーロッパの「戦略的自律」やそれに類似した「欧州主権」が要請されてきた。だが、最近の特徴は、そのような要請がむしろアメリカの側から見られることだ。アメリカの安全保障専門家の一部は、より抑制的なアメリカの国防戦略を求めており、とりわけコロナ禍で国内経済が疲弊した状況で、その傾向がよりいっそう顕著に見られる。

バイデン政権はそのような政策を選択する姿勢はまだ見せておらず、依然としてヨーロッパ大陸への防衛上の関与とコミットメントを強化する姿勢を示している。しかしながら、中長期的にはより自律的で、より軍事能力が強化されたヨーロッパが登場するのではないか。

 

6.安倍外交への高い国際的評価

7月8日の参議院議員選挙期間中に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件と、その後の死去の知らせは、世界中に衝撃を与えた。日本憲政史上最長の首相在任期間となった安倍氏は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想や、日米豪印4カ国による「クアッド」、そしてアメリカが離脱した後に自由貿易圏形成のための指導力を発揮したCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の成立など、インド太平洋地域における国際協力の枠組み創りでイニシアティブを発揮した。世界的に広く名前が知られている日本の元首相の突然の死去の知らせは、各国の主要メディアでもトップで報じられた。

とりわけ安倍元首相と親交のあったインドのナレンドラ・モディ首相は、「私の友人、安倍さん」と題する追悼文を寄せて、安倍元首相との個人的な交友関係や、日印関係の強化の軌跡、そしてインド太平洋地域への安倍元首相の貢献への賛辞を綴っている(6-①)。

二人が最初に会ったのは、モディ首相がグジャラート州首相として日本を訪問した2007年のことであった。その後も、新幹線でともに京都を観光したり、富士山麓の山梨の別荘に滞在したりと会合を重ねたことについて、外交儀礼をこえた温かなものであったと追想する。

また、トランプ政権時に大統領副補佐官であったマット・ポッティンジャーは、「インド太平洋」という地域概念を発明した安倍元首相を賞賛する文章を『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に寄稿している(6-②)。

安倍元首相は、2007年のインドでの演説で、それまでの中国を中心とした「アジア太平洋」という地理的概念を転換し、インドをはじめとする南アジアや東南アジア中心の「インド太平洋」という「広域アジア」の概念を提唱し、普及に努めた。それは、安倍元首相とモディ首相との友情に支えられたイニシアティブであり、また中国のオルタナティブとなる国際開発援助計画を推進する結果となった。それは試行錯誤の上で練り上げられたものであり、中国を封じ込む軍事同盟とは異なる、より包摂的で、より魅力的なフォーラムに成長したと称えている。

ダートマス大学准教授で、日本外交や東アジアの国際関係を専門とするジェニファー・リンドは、安倍元首相を追悼する文章を『フォーリン・アフェアーズ』誌ウェブ版に掲載した(6-③)。

そこでは、日本経済の低迷、日米同盟の弱体化、中国の台頭、そして、北朝鮮の核開発の活発化といった不安定な状況の中で、日本に必要な変化をもたらしたことを好意的に紹介している。

安倍元首相に批判的な人々は、彼を「極右」と呼ぶが、たしかに安倍氏は保守的ではあったものの、イデオロギーと国益が衝突した際には国益を優先していた。当初、アメリカの政治学者や主要なメディアの間で、安倍元首相へのイデオロギー的な警戒感が色濃く見られたものの、このリンドの論稿のように、長期政権となるにつれて次第に評価も肯定的なものへと変わっていった。

このような安倍元首相へのポジティブな評価は、国際的には幅広く見られるものだが、日本では依然として評価が大きく分かれており、批判的な論調も見られる。

また、かつては親中的な外交姿勢で知られていたオーストラリアの元首相であるケヴィン・ラッドは、安倍元首相のことを過去50年で最も重要な日本の政治指導者であったと評価している(6-④)。

ラッドは、中曽根康弘、小泉純一郎、そして安倍晋三という三人の指導者の名前を挙げて、他の二人に比べてもとりわけ安倍元首相が重要な存在であったと論じ、彼が提唱してイニシアティブをとった「自由で開かれたインド太平洋」構想を高く評価している。

安倍元首相の外交構想においては、日本とともに「クアッド」を構成するアメリカ、インド、オーストラリアがとりわけ重要な存在であった。だとすれば、これら3カ国の首相が安倍外交を高く評価することも、不思議ではないであろう。

安倍元首相の死去の知らせは、インド太平洋地域、さらにはより広い国際社会全体で、包摂的かつ国際協調主義的な秩序を形成しようとする試みがより困難となる国際情勢の潮流の中でもたらされた。それは、今後よりいっそう、ロシアや中国を包摂する調和的な国際関係が難しくなっていくことを象徴するかのようである。

だが、岸田文雄政権は安倍元首相の「自由で開かれたインド太平洋」構想を継承し、積極的な外交を展開している。引き続き、日本が国際社会で重要な役割を担うことを期待したい。

【主な論文・記事】
1.台湾有事ははじまるのか

Elbridge Colby, “China, Not Russia, Still Poses the Greatest Challenge to U.S. Security(米国の安全保障に対する最大の挑戦者はロシアではなく中国である)” , National Interest, July 1, 2022, https://nationalinterest.org/feature/china-not-russia-still-poses-greatest-challenge-us-security-203228
Elbridge Colby, “America Must Prepare for a War Over Taiwan: Being Ready Is the Best Way to Prevent a Fight With China(米国は台湾をめぐる戦争に準備しなければならない―戦争に備えることこそが米中戦争を防ぐ最善の道だ)”, Foreign Affairs, August 10, 2022, https://www.foreignaffairs.com/united-states/america-must-prepare-war-over-taiwan
Elbridge Colby, Alexander Gray, “America’s Industrial Base Isn’t Ready for War With China: Washington must invest immediately in a domestic capacity to build and repair military hardware(米産業基盤は中国との戦争に準備できていない―ワシントンは直ちに兵器を生産・修理する能力を獲得するため国内に投資するべきだ)” , Wall Street Journal, August 18, 2022,, https://www.wsj.com/articles/americas-industrial-base-isnt-ready-for-war-with-china-weapons-defense-funding-military-war-conflict-taiwan-supplier-11660833718
Bonny Lin, Jude Blanchette, “China on the Offensive: How the Ukraine War has Changed Beijing’s Strategy(攻めの中国―どのようにウクライナ戦争が北京の戦略を変えたのか)” , Foreign Affairs, August 1, 2022,https://www.foreignaffairs.com/china/china-offensive
Oriana Skylar Mastro, Derek Scissors, “China Hasn’t Reached the Peak of Its Power: Why Beijing Can Afford to Bide Its Time(中国はまだ国力のピークに達していない―北京が時間をかける余裕がある理由)”, Foreign Affairs, August 22, 2022, https://www.foreignaffairs.com/china/china-hasnt-reached-peak-its-power
Michael Swaine, “Why Colby Is Wrong on Taiwan: The Taiwan issue, at root, is not about military balances but political motives.(コルビーが台湾問題を誤解してい る理由―台湾問題の本質は、軍事バランスではなく、政治的動機である)” , The National Interest, August 29, 2022,https://nationalinterest.org/feature/why-colby-wrong-taiwan-204512
Dina Smeltz and Craig Kafura, “Americans Favor Aiding Taiwan with Arms but Not Troops(米国人は台湾への武器支援は支持するが、派兵には反対する)”, The Chicago Council on Global Affairs, August 11, 2022, https://www.thechicagocouncil.org/research/public-opinion-survey/americans-favor-aiding-taiwan-arms-not-troops

2.ペロシ議長の訪台をめぐる緊張と動揺

Bonnie S. Glaser & Zack Cooper, “Nancy Pelosi’s Trip to Taiwan Is Too Dangerous(ナンシー・ペロシの訪台は危険すぎる)”, The New York Times, July 28, 2022, https://www.nytimes.com/2022/07/28/opinion/china-us-taiwan-pelosi.html
David Sacks, “How to Survive the Next Taiwan Strait Crisis: Washington Must Be Ready For a Showdown With or Without A Pelosi Trip(次の台湾海峡危機を生き延びる方法ーペロシの訪台にかかわらず、ワシントンは対決に備えなければならない)”, Foreign Affairs, July 29, 2022, https://www.foreignaffairs.com/united-states/how-survive-next-taiwan-strait-crisis
Nancy Pelosi, “Nancy Pelosi: Why I’m leading a congressional delegation to Taiwan(私が台湾への議員使節を率いる理由とは)” , The Washington Post, August 2, 2022, https://www.washingtonpost.com/opinions/2022/08/02/nancy-pelosi-taiwan-visit-op-ed/
「中国政府和中国人民实现祖国统一的决心坚如磐石(祖国統一を実現する中国政府と中国人民の決意は磐石である)」、『人民日報』、2022年8月3日、 http://opinion.people.com.cn/n1/2022/0803/c1003-32492655.html
Qin Gang, “Chinese ambassador: Why China objects to Pelosi’s visit to Taiwan(駐米中国大使―なぜ中国はペロシ下院議長の訪台に反対するのか)”, The Washington Post, August 4, 2022, https://www.washingtonpost.com/opinions/2022/08/04/china-ambassador-op-ed-pelosi-taiwan-visit/

3.台湾海峡のニュー・ノーマル?

「社评:日本的“不安全感“纯粹是自找的(社説―日本の『不安全感』は自ら招いたもの)」、『環球時報』、2022年8月5日、 https://opinion.huanqiu.com/article/497VP9IujYJ
[사설] 펠로시 안 만나는 尹, 美・中에 잘못된 신호 주는 건 아닌지 [社説](ペロシ氏と会わない尹大統領、米・中に対し誤ったシグナルを送るのではないか)、『朝鮮日報』、2022年8 月4 日、https://www.chosun.com/opinion/editorial/2022/08/04/AI4JFVITJRGKXIVZMJ3Y4E27NI/
Bonny Lin, Joel Wuthnow, “Pushing Back Against China’s New Normal in the Taiwan Strait(台湾海峡における中国のニュー・ノーマルを押し返す)” , War on the Rocks, August 16, 2022, https://warontherocks.com/2022/08/pushing-back-against-chinas-new-normal-in-the-taiwan-strait/
Luc Ferry, “Une guerre avec la Chine, vraiment?(中国との戦争、本当か?)” , Le Figaro, August 11, 2022, https://www.lefigaro.fr/vox/monde/luc-ferry-une-guerre-avec-la-chine-vraiment-20220810
Richard L. Armitage and Zack Cooper, “Getting the Taiwan Policy Act Right(台湾政策法案を正しく立法せよ)”, War on the Rocks, https://warontherocks.com/2022/08/getting-the-taiwan-policy-act-right/

4.長期化する戦争、不満が鬱積するヨーロッパ

Tatiana Stanovaya, “Putin Thinks He’s Winning(プーチンは自分が勝っていると思っている)”, The New York Times, July 18, 2022, https://www.nytimes.com/2022/07/18/opinion/putin-russia-ukraine-winning.html
Nathalie Tocci, “Can Russia Divide Europe?(ロシアは欧州を分断できるのか?)”, Foreign Affairs, August 5, 2022, https://www.foreignaffairs.com/europe/can-russia-divide-europe
Daniel Yergin and Michael Stoppard, “Winter in Europe May Be Springtime for Putin(ヨーロッパの冬はプーチンの春)” , The Wall Street Journal, August 3, 2022, https://www.wsj.com/articles/winter-in-europe-may-be-springtime-for-putin-ukraine-energy-gas-supplier-war-european-union-shipments-pipeline-11659556722
Philippe Villin, ≪Les sanctions contre la Russie, quoi qu’il nous en coûte?(ロシアへの制裁、どんな代償を払ってでも? ) ≫, Le Figaro, July 18, 2022, https://www.lefigaro.fr/vox/monde/philippe-villin-les-sanctions-contre-la-russie-quoi-qu-il-nous-en-coute-20220718
Mateusz Morawiecki, “Mateusz Morawiecki, premier ministre polonais : ≪ La guerre en Ukraine a aussi révélé la vérité sur l’Europe ≫(マテウシュ・モラヴィエツキ、ポーランド首相―ウクライナ戦争はヨーロッパの現実も明らかにした)” , Le Monde, August 16, 2022, https://www.lemonde.fr/idees/article/2022/08/16/mateuszmorawiecki-la-guerre-en-ukraine-a-aussi-revele-la-verite-sur-leurope_6138131_3232.html
Debra Cagan, John Herbst and Alexander Vershbow, “US must arm Ukraine now, before it’s too late(アメリカは手遅れになる前にウクライナを武装させよ) ” , The Hill, August 17, 2022, https://thehill.com/opinion/national-security/3605064-us-must-arm-ukraine-now-before-its-too-late/
⑦ William A. Galston, “Give Ukraine the Weapons It Needs(ウクライナに必要な武器を供与せよ)” , The Wall Street Journal, July 5, 2022, https://www.wsj.com/articles/give-ukraine-the-weapons-it-needs-russia-aid-invasion-war-putin-surrender-leaders-missiles-systems-arms-11657032102

5.「戦略的自立」と「欧州主権」

Stephen Wertheim, “The Real Zeitenwende: A Europe That Defends Itself(本当の転換―自衛するヨーロッパ)”, 49 security, https://fourninesecurity.de/en/2022/08/23/the-real-zeitenwende-a-europe-that-defends-itself
Justin Logan, “NATO Is a Luxury Good the United States Doesn’t Need(NATOは米国が必要としていない贅沢品だ)”, Foreign Policy, July 23, 2022, https://foreignpolicy.com/2022/07/23/nato-europe-defense-russia-ukraine-war/
Max Bergmann, “Europe on Its Own(独力のヨーロッパ)”, Foreign Affairs, August 22, 2022, https://www.foreignaffairs.com/europe/europe-its-own

6.安倍外交への高い国際的評価

Narendra Modi, “My Friend, Abe San(私の友達、安倍さん)”, NarendraModi.in, July 8, 2022, https://www.narendramodi.in/my-friend-abe-san-563044
Matt Pottinger, “Shinzo Abe Invented the ‘Indo-Pacific’(安倍晋三氏が「インド太平洋」を発明した)”, The Wall Street Journal, July 10, 2022, https://www.wsj.com/articles/shinzo-abe-invented-the-indo-pacific-india-china-japan-assassinate-gun-prime-minister-11657476831
Elbridge Colby, Alexander Gray, “America’s Industrial Base Isn’t Ready for War With China: Washington must invest immediately in a domestic capacity to build and repair military hardware(米産業基盤は中国との戦争に準備できていない―ワシントンは直ちに兵器を生産・修理する能力を獲得するため国内に投資するべきだ)” , Wall Street Journal, August 18, 2022, https://www.foreignaffairs.com/articles/japan/2022-07-12/why-shinzo-abe-thought-japan-had-change
Kevin Rudd, “Abe Shinzo was the most important Japanese leader in the Past 50 years, says Kevin Rudd(安倍晋三は過去50年間で最も重要な日本のリーダーであった)”, The Economist, July 11, 2022,https://www.economist.com/by-invitation/2022/07/11/abe-shinzo-was-the-most-important-japanese-leader-in-the-past-50-years-says-kevin-rudd