
菅内閣官房長官、小野寺前国防大臣と共に、明治記念館にて© RJIF
日米軍人ステーツマン・フォーラム
日本の自衛隊と米軍の間には、これまで戦略対話の直接のチャンネルが存在してきませんでした。戦略的リバランシングの時代、それも東アジアの国際環境がきわめて変動しつつある現在、その必要性がますます高まっています。
現在の世界情勢の下、諸問題に適切に対処するには、日米の両政府間の恒常的かつ密度の高い政策対話が必要です。中でも、日本の自衛隊と米軍の間の戦略対話の重要性はこれまでになく高まっています。そこから得られる英知は、安全保障政策論議に必要不可欠です。
日米軍人ステーツマン・フォーラムは、米国の統合参謀本部議長経験者と日本の統合幕僚長経験者が一堂に会し、議論することで戦略的リバランシング時代における日米の政策対話を強化し、両国の安全保障政策コミュニティをより深くつなぐ上での絆になることを目指しています。
一般財団法人 日本再建イニシアティブ
理事長 船橋 洋一
フォーラム・メンバー
日本
齋藤 隆
(第2代統合幕僚長)
折木 良一
(第3代統合幕僚長)
岩﨑 茂
(第4代統合幕僚長)
米国
リチャード・マイヤーズ
(第15代統合参謀本部議長)
ピーター・ペース
(第16代統合参謀本部議長)
マイケル・マレン
(第17代統合参謀本部議長)
齋藤隆 元統合幕僚長メッセージ
「日米軍人ステーツマン・フォーラム開催によせて」
早いもので自衛隊を退職して五年になります。この間に東アジアの安全保障環境は劇的に変化し、その流れはうねりを増しているようにさえ見えます。現安倍政権はこのような大きな戦略環境の変化に対応すべく、日本初の「国家安全保障戦略」を策定、それを受けて新たな「防衛計画の大綱」もできました。自衛隊は大きくその体制を変化させようとしています。また米国もその戦力を東アジアにシフトする「リバランシング政策」を打ち出しました。
このような大きな節目、かつ重要な時期に、一般財団法人日本再建イニシアティブ(RJIF)のリードで、日米の軍トップOBが一同に介し、議論し合う機会として、今年7月に「日米軍人ステーツマン・フォーラム」が発起される運びとなりました。
本フォーラムは、米国の統合参謀本部議長経験者と日本の統幕長経験者が一同に会し、それぞれが培ってきた知識と経験を踏まえ、日米の戦略的課題、まさに米の「リバランス」と日本の「統合機動防衛力」、そして日米統合運用の共通の方向性に関し日米軍トップOBの「知恵」を現役諸君に提示できればと思っています。
また本フォーラムを通じ、日米同盟の絆の強さを内外に示すことはもとより、より具体的に同盟を深化させるためのヒントを両国政府に示唆できるものと確信しています。
このようなOB軍人のネットワークの必要性について、私自身現役時代から痛切に感じていましたが、残念ながら、具体的に枠組みを構築する試みはなされてきませんでした。その意味で、本フォーラムの意義は誠に大きく、これが継続的により充実発展するよう、今回の東京での開催がその一段目となればと祈念し、私自身も積極的に関与していきたいと考えています。
リチャード・B. マイヤーズ 元統合参謀本部議長メッセージ
「日米軍人ステーツマン・フォーラムの開始を歓迎します」
現在のアジア太平洋地域の安全保障問題を鑑みると、米国と日本という、この地域における二つの民主主義の経済大国の軍人OB間の軍・軍戦略対話の開始と強力なコミュニケーション・ネットワークの創設はきわめて重要です。
日米同盟強化に向けて、異なるレベルでの様々な努力がこれまで行われてきました。しかしながら、日米同盟の60年の歴史において、両国の軍人トップOBのより深い政策対話はこれまで存在してきませんでした。今こそが、日米の軍が共にその経験、戦略的洞察力、そして専門的知識を共有する時であると私は確信しています。日米軍人トップOBの英知は、日米同盟の結びつきを強化するだけでなく、今日両国が直面する諸問題に適切に対処することに役立ちます。両国の国家安全保障コミュニティのより堅固な関係の醸成を通じたこれら努力と英知の強化は、切望されつつも、兼ねてよりの懸案となっていました。
日本再建イニシアティブ(RJIF)がリードする日米軍人ステーツマン・フォーラムが、2014年7月に正式に発足します。このフォーラムには、日米同盟の強化に長年尽力してきた、米国の統合参謀本部議長経験者と日本の統合幕僚長経験者をはじめとする日米の軍人トップOBが参加します。
メンバーとして、この日米軍人ステーツマン・フォーラムの開始を歓迎します。日米の絆を深めるため、日本の友人たちと7月に会えることを楽しみにしています。
第3回日米軍人ステーツマン・フォーラム
RJIFは、第3回年次日米軍人ステーツマン・フォーラム(MSF)を2016年7月26日~29日、東京にて開催いたしました。
議論されたテーマは、以下の通りです。
- 第3の相殺戦略
- サイバーセキュリティ
- 海上安全保障協力
- 東・南シナ海におけるパワーバランス
- 公共財としての日米同盟
- 日米同盟を軸とした、「重層的3極構造」
- 朝鮮半島における安全保障の課題
- 政軍関係









参加者
日本
正メンバー
齋藤 隆 | 第2代統合幕僚長:2006年~2009年;海将 |
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折木 良一 | 第3代統合幕僚長:2009年~2012年;陸将 |
岩﨑 茂 | 第4代統合幕僚長:2012年~2014年;空将 |
副メンバー
吉田 正紀 | 第40代佐世保地方総監:2012年~2014年;海将 |
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廣中 雅之 | 第20代航空教育集団司令官:2013~2014年;空将 |
福本 出 | 第40代海上自衛隊幹部学校長:2012年~2014年;海将 |
磯部 晃一 | 第37代陸上自衛隊東部方面総監:2013年~2015年;陸将 |
特別ゲスト(現役)
河野 克俊 | 第5代統合幕僚長:2014年~現職;海将 |
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吉田 圭秀 | 内閣官房内閣審議官(国家安全保障局 兼 内閣官房副長官補付);陸将補) |
特別講演:(発表順)
兼原 信克 | 内閣官房副長官補・国家安全保障局次長:2014年~現職 |
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佐藤 雄二 | 前海上保安庁長官:2013年~2016年6月 |
発表者:(発表順)
渡辺 秀明 | 防衛装備庁長官:2015年~現職 |
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髙見澤 將林 | 前内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)センター長:2015年~2016年7月 |
廣惠 次郎 | 統合幕僚監部指揮通信システム(J-6)部長;陸将補 |
真部 朗 | 防衛審議官:2016年~現職 |
秋葉 剛男 | 外務省外務審議官(政務):2016年~現職 |
米国
正メンバー
リチャード・マイヤーズ | 第15代統合参謀本部議長:2001年~2005年:空軍大将 |
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マイケル・マレン | 第17代統合参謀本部議長:2007年~2011年:海軍大将 |
副メンバー
デニス・ブレア | 元太平洋軍司令官、1999年~2002年:海軍大将 |
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ウォレス・グレグソン | 元国防次官補、2009年~2011年:海兵隊中将(ご欠席) |
ティモシー・キーティング | 元太平洋軍司令官、2007年~2009年:海軍大将 |
ゲアリー・ラフェッド | 元海軍作戦部長、2007年~2011年:海軍大将 |
ウォルター・シャープ | 元在韓米軍司令官、2008年~2011年:陸軍大将 |
バートン・フィールド | 前空軍作戦・計画部長、2012年~2015年:空軍中将 |
現役・特別ゲスト
ハリー・ハリス | 太平洋軍司令官、2015~現職:海軍大将 |
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マイケル・S・ロジャース | 米サイバー軍司令官兼国家安全保障局局長、2014~現職:海軍大将 |
大使
キャロライン・ケネディ | 駐日米国大使:2013~現職 |
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マーク・リッパート | 駐韓米国大使:2014年~現職 |
RJIF特別招聘スカラー
マイケル・グリーン | 米戦略国際問題研究所(CSIS) 上級副所長兼アジア・日本部長、ジョージタウン大学准教授 |
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*肩書きは、フォーラム開催当時
ジョン・マケイン上院議員、マック・ソーンベリー下院議員と共に、ワシントンD.C.にて© RJIF
第2回日米軍人ステーツマン・フォーラム :「地政学の復活と日米同盟」
RJIFは、第2回年次日米軍人ステーツマン・フォーラム(MSF)を2015年6月7日~9日、
ワシントンD.Cにて開催いたしました。
議論されたテーマは、以下の通りです。
- 集団的自衛権
- 日米ガイドライン
- 国家安全保障局
- 東アジアの海上安全保障
- 北東アジアの安全保障
- 軍事技術、産業基盤、技術革新
- サイバー・セキュリティと宇宙
- 政軍関係









参加者
日本
正メンバー
齋藤 隆 | 第2代統合幕僚長(海将、2006~2009年) |
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折木 良一 | 第3代統合幕僚長(陸将、2009~2012年) |
岩﨑 茂 | 第4代統合幕僚長(空将、2012~2014年) |
副メンバー
田中 達浩 | 第35代陸上自衛隊通信学校長(陸将補、2008~2009年) |
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片岡 晴彦 | 第32代航空幕僚長(空将、2012~2013年) |
吉田 正紀 | 第40代佐世保地方総監(海将、2012年~2014年) |
廣中 雅之 | 第20代航空教育集団司令官(空将、2013~2014年) |
福本 出 | 第40代海上自衛隊幹部学校長(海将、2012年~2014年) |
特別ゲスト(現役)
河野 克俊 | 第5代統合幕僚長(海将、2014年~現職) |
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長島 純 | 内閣官房内閣審議官(国家安全保障局 兼 内閣官房副長官補付)(空将補) |
德地 秀士 | 防衛審議官(2014年~現職) |
米国
正メンバー
リチャード・マイヤーズ | 第15代統合参謀本部議長(空軍大将、2001~2005年) |
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副メンバー
デニス・ブレア | 元太平洋軍司令官(海軍大将、1999~2002年) |
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ティモシー・キーティング | 元太平洋軍司令官(海軍大将、2007~2009年) |
ジェームズ・ジョーンズ | 元北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官 (海兵隊大将、1999~2003年) |
ゲイリー・ラフヘッド | 前海軍作戦部長(海軍大将、2007~2011年) |
ウォレス・グレグソン | 元国防次官補(海兵隊中将、2009~2011年) |
特別ゲスト(現役)
フランク・パンドルフェ | 統合参謀本部戦略計画政策局局長(海軍中将、2013年~現職) |
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政府高官
佐々江 賢一郎 | 駐米日本大使 |
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ジョン・マケイン | 上院軍事委員会委員長、上院議員 |
マック・ソーンベリー | 下院軍事委員会委員長、下院議員 |
*肩書きは、フォーラム開催当時
キャロライン・ケネディ駐日米国大使主催の昼食レセプション、駐日米国大使公邸にて© RJIF
第1回日米軍人ステーツマン・フォーラム:「日米同盟 ~未来に向けた絆~」
日本再建イニシアティブ(RJIF)は、第1回年次日米軍人ステーツマン・フォーラム(MSF)を2014年7月27日~29日、東京にて開催いたしました。
議論されたテーマは、以下の通りです。
- 東アジアの安全環境
- アジア太平洋リバランス政策
- 日本国内の米軍基地問題
- サイバーセキュリティー
- 宇宙戦略
- エネルギー問題
- 国家安全保障局
- 日米同盟









参加者
日本
正メンバー
齋藤 隆 | 第2代統合幕僚長(海将、2006~2009年) |
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折木 良一 | 第3代統合幕僚長(陸将、2009~2012年) |
副メンバー
火箱 芳文 | 第32代陸上幕僚長(陸将、2009~2011年) |
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赤星 慶治 | 第29代海上幕僚長(海将、2008~2010年) |
外薗 健一朗 | 第30代航空幕僚長(空将、2008~2010年) |
下平 幸二 | 第6代情報本部長(空将、2008~2012年) |
特別ゲスト(現役)
岩﨑 茂 | 第4代統合幕僚長(空将、2012年~現職) |
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磯部 晃一 | 第37代東部方面総監(陸将) |
武居 智久 | 第42代横須賀地方総監(海将) |
廣中 雅之 | 第20代航空教育集団司令官(空将) |
米国
正メンバー
リチャード・マイヤーズ | 第15代統合参謀本部議長(空軍大将、2001~2005年) |
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マイケル・マレン | 第17代統合参謀本部議長(海軍大将、2007~2011年) |
副メンバー
デニス・ブレア | 前太平洋軍司令官(海軍大将、1999~2002年) |
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ラルフ・エバーハート | 前北方軍司令官(空軍大将、2002~2004年) |
ウォレス・グレグソン | 前国防次官補(海兵隊中将、2009~2011年) |
特別ゲスト(現役)
サルバトーレ・アンジェレラ | 在日米軍 兼 第5空軍司令官(空軍中将) |
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政府高官
菅 義偉 | 内閣官房長官 |
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小野寺 五典 | 国防大臣 |
キャロライン・ケネディ | 駐日米国大使 |
*肩書きは、フォーラム開催当時