「民主党政権 失敗の検証 日本政治は何を活かすか」は、3年3ヶ月という短命で終ってしまった民主党政権を政策、統治、政党運営などの様々な観点から検証し、日本の政党政治における民主党政権の意義、失敗の理由と今後の日本の政党デモクラシーに必要な教訓を導きだす本です。当財団の「民主党政権検証プロジェクト」の報告書として、2013年9月25日に中央公論新社より刊行致しました。
首相・大臣経験者を含む当時の民主党幹部、官僚、関係者のヒアリングを延べ30回にわたり実施し、政権中枢にいた本人の証言を随所に引用しました。
また、民主党現職衆議院議員全員(2013年9月現在。但し民主党政権の終了した2012年12月の衆議院選で初当選した1名を除く)を対象としたアンケート調査を実施、56名の対象者うち45名から回答を得ました。回答率は驚異の80.4%であり、民主党議員による自らの政権運営経験に対する評価を本文に反映することができました。
不安定な世界の中で日本が明るい未来を切り開いていくため、政党の政権運営能力、今後の政党政治の在り方が真剣に問われています。本著が、今後の日本の政党政治の進化発展の一助となれば幸いです。
序 章 民主党の歩みと三年三ヵ月の政権 中野晃一 3
第1章 マニフェスト──なぜ実現できなかったのか 中北浩爾 11
1 捻出できなかった財源 12
2 小沢が実現困難なマニフェストを作ったのか 20
3 小沢ならマニフェストを実現できたのか 28
4 マニフェストが失敗した原因 37
第2章 政治主導──頓挫した「五策」 塩崎彰久 49
1 政務三役のリーダーシップ 52
2 閣僚委員会の混乱 59
3 国家戦略局の挫折 65
4 幹部官僚人事と行政刷新会議 73
5 「五策」はなぜ崩れたか 80
第3章 経済と財政──変革への挑戦と挫折 田中秀明 87
1 低迷した経済、悪化した財政 88
2 予算改革 96
3 成長戦略と増税 113
第4章 外交・安保──理念追求から現実路線へ 神保 謙 125
1 普天間基地問題 130
2 漁船衝突事件 140
3 尖閣「国有化」 147
4 異なる二つの潮流 155
第5章 子ども手当──チルドレン・ファーストの蹉跌 萩原久美子 159
1 「子ども手当」という社会構想 160
2 「子ども手当」の迷走 169
3 民意とすれ違った保育政策 180
第6章 政権・党運営──小沢一郎だけが原因か 中野晃一 195
1 幻の政府与党一元化 196
2 リーダーシップとフォロワーシップ 212
第7章 選挙戦略──大勝と惨敗を生んだジレンマ フィリップ・リプシー 231
1 二〇〇七年と二〇〇九年の勝因 233
2 二〇一〇年の参院選と「ねじれ国会」 244
3 二度の惨敗とこれから 251
終 章 改革政党であれ、政権担当能力を磨け 船橋洋一 267
おわりに 293
アンケートについて 299
ヒアリング協力者一覧 300
民主党政権 関連年表 303
メンバー紹介 304
+ ヒアリングにご協力いただいた方々 (五十音順・敬称略)
ご芳名 | ヒアリング時の主な役職 | 民主党政権担当時の主な役職 |
東 祥三 | 前衆議院議員 | 内閣府副大臣 |
安住 淳 | 衆議院議員 | 財務大臣 |
伊原 智人 | Green Earth Institute株式会社ゼネラルマネジャー | 内閣官房国家戦略室企画調整官 |
逢坂 誠二 | 前衆議院議員 | 総務大臣政務官 |
岡田 克也 | 衆議院議員・民主党最高顧問 | 副総理 |
小川 淳也 | 衆議院議員 | 総務大臣政務官 |
海江田 万里 | 衆議院議員・民主党代表 | 経済産業大臣 |
片山 善博 | 慶應義塾大学教授 | 総務大臣 |
菅 直人 | 衆議院議員・民主党最高顧問 | 第94代内閣総理大臣 |
北澤 俊美 | 参議院議員・民主党副代表 | 防衛大臣 |
鈴木 克昌 | 衆議院議員・生活の党幹事長 | 総務副大臣 |
仙谷 由人 | 前衆議院議員 | 内閣官房長官 |
直嶋 正行 | 参議院議員・民主党副代表 | 経済産業大臣 |
長島 昭久 | 衆議院議員 | 防衛副大臣 |
西村 智奈美 | 前衆議院議員 | 厚生労働副大臣 |
野田 佳彦 | 衆議院議員・民主党最高顧問 | 第95代内閣総理大臣 |
平田 オリザ | 演劇家・演出家 | 内閣官房参与 |
福島 伸享 | 前衆議院議員 | |
福山 哲郎 | 参議院議員 | 内閣官房副長官 |
藤井 裕久 | 前衆議院議員 | 財務大臣 |
細野 豪志 | 衆議院議員・民主党幹事長 | 環境大臣 |
前原 誠司 | 衆議院議員 | 国土交通大臣 |
松井 孝治 | 参議院議員 | 内閣官房副長官 |
松本 剛明 | 衆議院議員 | 外務大臣 |
馬淵 澄夫 | 衆議院議員 | 国土交通大臣 |
山崎 史郎 | 内閣府政策統括官 | 内閣総理大臣秘書官 |
湯浅 誠 | 反貧困ネットワーク事務局長 | 内閣府参与 |
+ アンケートにご回答いただいた方々 (五十音順・敬称略)
荒井 聰
泉 健太
大串博志
大島敦
大西 健介
大畠章宏
岡田 克也
小川 淳也
奥野 総一郎
海江田万里
黄川田 徹
菊田 真紀子
岸本 周平
玄葉 光一郎
郡 和子
近藤 昭一
近藤 洋介
後藤 祐一
階 猛
篠原 孝
髙木 義明
武正 公一
田嶋 要
玉木 雄一郎
辻元 清美
津村 啓介
中川 正春
長島 昭久
長妻 昭
中根 康浩
野田 佳彦
原口 一博
古川 元久
古本 伸一郎
前原 誠司
松本 剛明
馬淵 澄夫
三日月 大造
山井 和則
吉田 泉
笠 浩史
若井 康彦
鷲尾 英一郎
渡辺 周
アンケート
アンケート実施期間 | 2013年4月25日~2013年8月9日 |
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アンケート対象者 | 民主党衆議院議員56名(2012年総選挙で初当選した1名を除く) |
回答者数 | 45名(全体の80.4%)
注)選択式の質問において、一部指定数より多く回答があったため、集計数が回答者数(45)を超える場合があります。
上記に該当する質問には、質問右の欄に(注)と明記しています。 |
アンケート資料の無断転載は禁止します。
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1人(2%) |
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12人(27%) |
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14人(31%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
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0人(0%) |
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0人(0%) |
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2人(4%) |
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5人(11%) |
―その他意見―
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7人(16%) |
―変えたと思う理由― | |
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15人(33%) |
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17人(38%) |
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6人(13%) |
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6人(13%) |
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4人(9%) |
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1人(2%) |
―変えなかったと思う理由― | |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
党運営について
―避けられたと思う理由― | |
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12人(27%) |
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5人(11%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
―避けられなかったと思う理由― | |
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5人(11%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
政府と党の関係について
―うまくいかなかった要因― | |
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10人(22%) |
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10人(22%) |
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6人(13%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
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12人(27%) |
―その他意見― |
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―その他意見― |
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―なぜそう考えるか― |
①政調による事前審査と合意を前提に、最終的には首相を含めた政府・民主三役会議で決定する |
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②政調会長が閣僚を兼務し、政府と与党の連携を図る |
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③政調を廃止し、内閣に政策決定を一元化する |
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政治家と官僚の関係についてうかがいます
―その他意見― |
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―その他意見― |
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マニフェストについてうかがいます
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13人(29%) |
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13人(29%) |
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8人(18%) |
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4人(9%) |
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3人(7%) |
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4人(9%) |
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2人(4%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
―なぜそう思いますか― | |
【そう思う理由】 | |
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6人(13%) |
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3人(7%) |
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2人(4%) |
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2人(4%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
【そう思わない理由】 | |
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12人(27%) |
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3人(7%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
政策についてうかがいます
【政策全般】
【子育て支援政策】
【プラスに働いた】 | |
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9人(20%) |
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5人(11%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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2人(4%) |
【マイナスに働いた】 | |
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6人(13%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
【どちらでもない】 | |
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1人(2%) |
【外交・安全保障分野】
―その他意見― |
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重要だった | ある程度重要だった | あまり重要でなかった | 重要でなかった | 未回答 | |
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39人(87%) | 5人(11%) | 0人(0%) | 0人(0%) | 1人(2%) |
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9人(20%) | 28人(62%) | 6人(13%) | 0人(0%) | 2人(4%) |
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23人(51%) | 17人(38%) | 2人(4%) | 1人(2%) | 2人(4%) |
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2人(4%) | 19人(42%) | 16人(36%) | 6人(13%) | 2人(4%) |
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3人(7%) | 13人(29%) | 18人(40%) | 10人(22%) | 1人(2%) |
―その他意見― |
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重要だった | ある程度重要だった | あまり重要でなかった | 重要でなかった | 未回答 | |
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37人(82%) | 4人(9%) | 3人(7%) | 0人(0%) | 1人(2%) |
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24人(53%) | 11人(24%) | 8人(18%) | 0人(0%) | 2人(4%) |
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4人(9%) | 18人(40%) | 20人(44%) | 1人(2%) | 2人(4%) |
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0人(0%) | 1人(2%) | 28人(62%) | 14人(31%) | 2人(4%) |
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9人(20%) | 15人(33%) | 17人(38%) | 2人(4%) | 2人(4%) |
―その他意見― |
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重要だった | ある程度重要だった | あまり重要でなかった | 重要でなかった | 未回答 | |
マニフェストで掲げた政策を十分に実現できなかったこと | 16人(36%) | 22人(49%) | 4人(9%) | 1人(2%) | 2人(4%) |
外交安全保障政策の失敗 | 11人(24%) | 21人(47%) | 9人(20%) | 1人(2%) | 3人(7%) |
消費税増税 | 6人(13%) | 21人(47%) | 15人(33%) | 1人(2%) | 2人(4%) |
党内紛争・分裂 | 38人(84%) | 6人(13%) | 0人(0%) | 0人(0%) | 1人(2%) |
自民党が有権者の支持を取り戻したこと | 2人(4%) | 5人(11%) | 23人(51%) | 13人(29%) | 2人(4%) |
―その他― |
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―その他意見― |
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今後、民主党が選挙で勝つには何が必要だと思いますか。自由にお書きください。 | |
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11人 (24%) |
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12人(27%) |
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6人(13%) |
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3人(7%) |
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4人(9%) |
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4人(9%) |
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5人(11%) |
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2人(4%) |
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2人(4%) |
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3人(7%) |
【思う】 | |
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17人(38%) |
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7人(16%) |
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2人(4%) |
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2人(4%) |
【思わない】 | |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
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2人(4%) |
【どちらでもない】 | |
・農村部がわからないが農業を成長戦略とする必要はあり | 1人(2%) |
最後に民主党の今後についてうかがいます
【思う】 | |
・政権交代可能な二大政党は必要 | 12人(27%) |
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8人(18%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
【思わない】 | |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
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1人(2%) |
【わからない】 | |
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4人(9%) |
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2人(4%) |
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1人(2%) |
―その他意見― | |
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