前中国人民銀行総裁・周小川氏を迎えて円卓会議を開催


一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)は前中国人民銀行総裁の周小川氏らを迎えて、「アジアの経済発展のための日中協力」に関する円卓会議を、2019年5月27日にホテルオークラで開催しました。

徳地立人APIシニアフェローの仲介により、中国大手メデイア・財新メディア(胡舒立社長)とボアオ・アジアフォーラムの協力を得て企画したもので、中国側は周氏のほか、胡暁煉・中国輸出入銀行会長や、李波・中華全国帰国華僑連合会副主席、祁斌・中国投資有限責任公司副総経理、謝多・シルクロードファンド会長、楊国華・清華大学法学院教授など、金融界、学界のトップクラス15人が出席。日本側からは前田匡史・国際協力銀行総裁、兵頭誠之・住友商事社長CEO、長門正貢・日本郵政社長、隅修三・東京海上ホールディングス会長、片野坂真哉・ANAホールディングス社長、早川茂・トヨタ自動車副会長など、金融・実業界のトップに、APIの評議員・理事も加わり、中国側と合わせて50人が参加しました。

周氏は、15年間務めた中国人民銀行総裁を2018年3月に退任したあと、中国のシンクタンクであるボアオ・アジアフォーラムの副理事長として中国内外で活躍しています。
会議では、API理事長・船橋洋一による歓迎のあいさつに続いて、周氏が基調講演し、「アジア諸国は世界の経済成長の重要なエンジンであり、世界第2、第3の経済大国である中国と日本は、アジアの繁栄・発展のために、多国間貿易体制と経済のグローバル化を擁護するよう努力していかなければいけない」と強調しました。

これを受けて、政府の経済財政諮問会議議員でもある新浪剛史サントリーホールディングス代表取締役社長(API理事)が、世界一の少子高齢化がすすむ日本での政府の取り組みについて、高齢化が予想される中国の参考になるよう紹介し、国際協力銀行の前田匡史代表取締役総裁が日中で協力してアジアの公共分野へ投資していく計画を披露しました。また、中国輸出入銀行の胡暁煉会長も日中極力の重要性を強調し、ケニアでの地熱プロジェクトなどの成功例を紹介しました。
 このあとフリーディスカッションへ移り、出席者が積極的に質問しあい、また各人の見解を披露して活発に意見交換しました。