年頭のご挨拶(神保謙 APIプレジデント)


新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)は昨年7月に公益財団法人国際文化会館と合併し、新たな歩みを始めました。世界各地から知的・文化的指導者が集う場としての歴史を担う国際文化会館と共に歩むことで、アジア太平洋を代表するシンクタンクとして発展を遂げたいと志しています。

国際秩序が不安定化する中で、政策研究の重要性は高まるばかりです。国際社会の分断が深刻になればなるほど、知的対話や文化交流によるつながりが重要度を増しています。この中で、APIは世界と日本の政策課題に正面から向き合い、政策研究を深め、政策提言を積極的に推進します。

昨年はAPIのプログラムとして地経学研究所(Institute of Geoeconomics)を設立し、地政学と経済が融合した「地経学」に着目し、経済安全保障・中国・欧米・国際安全保障秩序・サイバー分野での調査・研究や、経済安全保障分野の政策立案者とグローバルに活動する企業とのハイレベルコミュニティの形成を目指しています。

また日本では国家安全保障戦略を核とする安全保障関連3文書が策定され、安全保障・防衛政策も新たな段階へと踏み出しました。APIでは「【特集】戦略3文書を読む」で研究員による解説を掲載し、今後も戦略研究を深めてまいります。

国際文化会館の使命は「多様な世界との知的対話、政策研究、文化交流を促進し、自由で、開かれた、持続可能な未来をつくることに貢献する」ことにあります。国際文化会館でシンクタンク領域を推進するAPIは、インハウス研究員、客員研究員やシニアフェローの力を結集し、また国内外の政・官・財の皆さまのご支援を得ながら、新たな時代を開拓してまいります。

国際文化会館常務理事
APIプレジデント 神保謙