第7回API地経学オンラインサロンを開催~「岸田政権の経済安全保障」


当日の録画動画は こちら

一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(所在地:東京都港区、理事長:船橋洋一、以下API)は、2021年12月11日(土)午前10時~11時に、第7回「API地経学オンラインサロン」を開催いたします。詳細については、下記をご参照ください。

[本イベントは終了しました]
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開催報告

APIは、2021年12月11日(土)に第7回目となる地経学オンラインサロンを開催しました。今回はゲストに、経済安全保障担当の内閣府副大臣を務める大野敬太郎衆議院議員をお迎えし、「岸田政権の経済安全保障」と題して、API地経学研究所所長代行・上席研究員である鈴木一人東京大学公共政策大学院教授との対談をお送りいたしました。当日の主な議論を以下にご紹介します。事務局作成のサマリーですので、正確な内容についてはぜひ動画をご視聴ください。

(本サマリー及び動画の内容はイベント実施時点での情報に基づいています)


経済安全保障とは~国民の安心・安全のために自由貿易を国家が規制する政策
冒頭、「経済安全保障」をどうとらえたらよいかの議論が行われました。大野氏は、「安全保障とは、国家が国民の安心・安全を守ること。そのすそ野が経済に広がっている。」と説明します。これを受け、鈴木氏は、「グローバル化により戦略的に重要なものすら中国依存が進み、国家間関係が悪化した時のリスクが高まってきた。ただ、サプライチェーンを強靭化するために、(国家の規制で)できるだけ中国に依存しないとするのは、自由貿易という原則と矛盾する。」と指摘します。この点について大野氏は、「一般原則として、自由貿易を推進するが、特に機微なものは制限をかける。これまでのWTOの方針でもそうだが、それを精緻化する。対象の徹底で、改めて安定した国際秩序を形成する。」という考え方を強調しました。

経済安全保障の対象をどう特定するか~政府と民間のコミュニケーションが重要に
次いで、経済安全保障の対象の特定にあたっての政府と民間のコミュニケーションの重要性について議論が行われました。大野氏は「境目が明確でないと民間が委縮してしまうので、どの分野もなるほどと思ってもらえるprincipleと輪郭をはっきりとしていきたい。」としたうえで、「それを精緻化させるためには、無くなった時にどれだけの影響が出るのか国家が分析できないといけない。開示されない民間の経営上の情報も国家全体の政策にとって必要となるので、情報収集・分析ができるインテリジェンス機能を高めないといけない。」と説明します。また、政府と民間との関係については、「不安だけが先行するが、国にとって必要なので飲めということはしない。コミュニケーションを図りながらやっていきたい。」と表明しました。

その他、米国と中国の板挟みに対する政府の役割、気候変動・人権保護と経済安全保障のトレードオフ、戦略的不可欠性といった点についての質疑応答が行われました。

当日の模様は以下よりご覧になれます。


<お問い合せ先>
一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)
API地経学研究所

第7回API地経学オンラインサロン

1.日時
2021年12月11日(土)10:00 ‒ 11:00(JST)(9:50開場)

2.開催方式
オンライン視聴(ZOOMウェビナー)

3.主催
一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)

4.テーマ
「岸田政権の経済安全保障」

5.登壇者
ゲスト:大野敬太郎 衆議院議員(自民党、香川県第3区)/ 内閣府副大臣(経済安全保障・防災等担当)

ホスト:鈴木 一人 API地経学研究所所長代行・上席研究員 / 東京大学公共政策大学院教授

6.ゲスト(大野敬太郎氏)の略歴
1991年東京工業大学工学部卒、93年同大学院修士修了。同年富士通入社。01年米国カリフォルニア大学バークレー校客員フェロー。04年国務大臣秘書官。06年東京大学産学官連携研究員(情報理工学博士号取得)。12年総選挙にて初当選。爾来、自民党の外交・農林・国防の副部会長、財務金融や外交の部会長代理、17年防衛大臣政務官、19年副幹事長、20年国防部会長代理等を経て現職。

(おことわり)
API地経学オンラインサロンで表明された内容や意見は、講演者やパネリストの個人的見解であり、一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)やAPI地経学研究所等、スピーカーの所属する組織の公式見解を必ずしも示すものではないことをご留意ください。