インターンシップ座談会

アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)では、2022年3月に、インターン4名(Hさん、Kさん、Sさん、Yさん)による座談会を実施しました。インターン同士で、インターンを始めたきっかけや、「独立系シンクタンク」のインターン生としてどのような学びや気づきがあったのか、APIでのインターンに興味がある方へのメッセージ、といった点について、率直な意見交換を行いました。

インターンを始めたきっかけ

Kさん:みなさんが、APIでインターンをすることになったきっかけはなんでしたか。

Yさん:私は、ゼミの同期がAPIでインターンをしていて、たまたまAPIでのインターンがどのようなものかを聞いてみたところ、「とにかく勉強になる」と言われました。それをきっかけにシンクタンクについて色々と調べ始めたところ、CSIS(Center for Strategic and International Studies)など、自分がいままで聞いたことがあった団体も「シンクタンク」だったということを知り、日本にあるシンクタンクであるAPIでのインターンに応募しました。

Sさん:私は、APIの船橋洋一理事長のお話を聞いたことがきっかけでした。当時、私は、大学院進学が決まっていて、留学するか迷い1年間休学し、とある政策系シンクタンクの講座を取っていました。そこに船橋理事長が登壇されたのです。その頃船橋理事長は『シンクタンクとは何か』という書籍を出しており、それを読んだところ、「日本ではあまり見られないが、欧米ではシンクタンクが非常に重要な政策形成や政策提言の機能を持っており、公の前に立つ役割を持っている」という内容が書いてありました。自分は、公に関わる仕事がしたいと思っており、具体的にどのようなアプローチがあるのかを模索するために大学院進学を決めていたこともあり、政策系シンクタンクというものに強い関心が湧き、実際に現場を見てみたいとの思いからAPIでインターンをしてみたいと考えました。

社会を変えるために~コミュニティ形成と社会への発信

Yさん:APIで初めて知ったシンクタンクの役割の1つとして、コネクションを作る、場を作る、ということがありました。これはインターンをする前には全く知らなかったのですが、非常に重要なものだと感じました。独立した存在であるシンクタンクが、政府関係者と民間の方が直接言葉を交わす場を設け、そこから何かが変わる。自分は、議事録作成担当として、その現場で議論が生まれている瞬間を目撃したのが、非常に大きな学びとなりました。それをきっかけに、普段から大きな視点で物事を考えるようになりました。

Sさん:私が担当したAPIF(アジア・パシフィック・イニシアティブ・フォーラム)プロジェクトでも、社会的に大きな影響力を持っている人々が出会い、そこでの議論が実際に世の中を動かしていくのだということを目の当たりにしました。自分が日々メディア等で見ているようなことが、実際にはこういう場で、このように大きなスケールで動いているのだということを感じ、勉強になりました。また、「場を作る」というコミュニティ形成としての役割に加えて、社会へ情報を発信していくとの役割の重要性も肌で感じました。APIでは、単なる調査機関ではなく、独立系シンクタンクとして、社会にとって今必要なことを自らの意思で調査するとともに、TwitterYouTubeを初めとしたSNSでの発信も行うことにより、積極的に社会に働きかけています。

「独立系シンクタンク」

Kさん:今「独立系シンクタンク」という言葉が出ましたが、APIは政策系シンクタンクの中でも「独立系」と分類されるシンクタンクですよね。政府系でなく、特定の企業グループにも属さず、純粋な独立系の政策系シンクタンクというのは、日本では他にあまりない気がします。

Hさん:そう思います。私は「福島原発事故後10年の検証(第二民間事故調)」「検証 安倍政権」プロジェクトに携わっていましたが、内容的に、政府に対し批判的なことも指摘するクリティカルな視点を持ったプロジェクトでした。3.11後に政府中心の事故調も立ち上げられましたが、APIはそういった組織とは異なり、あくまで政府から独立した立場だったので、外部からの圧力や細かな表現に配慮することなく調査・報告ができたのだと感じました。こういった独立系シンクタンクの存在意義が、日本でも今後もっと広まっていくべきだと感じています。

インターンが活躍できる場

Hさん:APIでのインターンシップの特徴として、インターンもチームの一員として重要な役割を果たすことが期待されていると感じています。研究員の方がインターン8人で会議を開き、そこで1人ずつプレゼンをし、今後どのようにすべきか話し合い、そこで決まったことをもとに方針を決めたこともありました。

Kさん:自分が関わっていた地経学オンラインサロンの広報業務でも、「若い世代の感性・感覚も重要」と言われ、ターゲットをどう設定すべきか、Twitterをどう運用すれば効果が上がるかなど、インターンも交えて話し合い、広報チーム全体で決定しています。そういった文化があるので、いたるところで「自分が貢献している」という意識を持つことができました。

Yさん:私も、インターンに多くのことを任せてくださっているなということはよく感じます。本当にインターンの意見を皆さんよく聞いてくださる。だからこそ、逆にその分きちんとコミットしなければならない。

インターン志望者へのメッセージ

Kさん:私は、APIに応募する前に、実はすでに就職先から内定を頂いていて、就職までの間、就職先の業界でインターンをしようかと考えたこともあったのですが、「せっかく1年間あるなら、もっといろんなことに目を向けてみたい」と思い、APIでのインターンに応募しました。APIでのインターンは、研究職を目指す人だけでなく、民間企業に就職する人たちも、一つの経験の場として挑戦してみたら良いのではないかと思いました。

Yさん:確かに、将来の進路がどうであれ、APIで行われているプロジェクトに少しでも興味があるのであれば、ぜひ挑戦してみて欲しいと思います。インターン経験を通して、学生のうちに社会人のロールモデルをたくさん見られるというのも本当に貴重だと思います。

Hさん:APIでは、「国際政治に興味あります」という理由で応募してきた人が多いが、検証 安倍政権新型コロナ対応・民間臨時調査会(コロナ民間臨調)政策起業家プラットフォームプロジェクトのように、ガバナンスに関するプロジェクトも多くあります。国際政治に関心のある方のみらず、日本政治や政策過程といった分野に関心のある方も積極的に応募したらよいと思います。

Sさん:自分は、APIで、社会人第一歩となるような経験をたくさんさせていただきました。本当にインターンのことを大切にしてくれている組織だと思います。

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