第2回API地経学オンラインサロンを開催~「台頭する中国と米中関係」


当日の録画動画は こちら

一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(所在地:東京都港区、理事長:船橋洋一、以下API)は、2021年7月10日(土)午前10時~11時に、第2回「API地経学オンラインサロン」を開催いたします。詳細については、下記をご参照ください。
[本イベントは終了しました]
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開催報告

APIは、2021年7月10日(土)午前10時~11時に第2回目となる地経学オンラインサロンを開催しました。

今回はゲストに秋田浩之日本経済新聞社コメンテーターをお招きし、「台頭する中国と米中関係」と題して、API地経学研究所所長代行・上席研究員である鈴木一人東京大学公共政策大学院教授との対談をお送りいたしました。当日の主な議論を以下にご紹介します。事務局作成のサマリーですので、正確な内容についてはぜひ動画をご視聴ください。


結党100周年記念演説に見た中国共産党の弱さ
第2回目の地経学オンラインサロンは中国共産党創立100周年祝賀大会の直後だったということもあり、冒頭は習近平総書記の演説が対談のテーマとなりました。秋田氏からは、中国共産党関係者の発言を引用しつつ、政権が失敗しても選挙で負けるだけの日本とは違い中国共産党は選挙無しに人民の支持を得続けねばならないという緊張感・不安感を持っているとの解説がなされました。さらに、それを踏まえて習近平演説を分析すると、演説において中国の国民向けに中国共産党による統治の素晴らしさや唯一性を強調しなければならないという、中国共産党の弱さが感じられるとの指摘がありました。

中国共産党の弱さが対外強硬姿勢につながっている
秋田氏は、中国共産党が国民からの支持を得続けることに常に不安を抱いている構造が、中国共産党の凄さを人民に見せ、人民を満足させるための対外強硬姿勢につながっていると指摘しました。さらに、習近平が人民を満足させるような実績を作り、建国者である毛沢東や発展路線を設計した鄧小平以上の存在になるには、中国を経済的にも軍事的にも世界一の国にすることが求められていると述べました。話題は現在の中国共産党政権を超えて中華帝国も含めた「中国のDNA」の話に広がり、秋田氏は、「中国は内部が不安定な時は万里の長城のような物理的、もしくは軍事的な壁を作り外部者を排除する一方で、統治がうまくいっている時は「万里の長城」を作らず、むしろ自由貿易圏を作って交易を行う」という学術成果を引用しつつ、現在は内部が不安定で中国が「万里の長城」という軍事的な壁を作っている時期にあたり、その「万里の長城」は北方に脅威がないが故に、インド太平洋における軍拡という形で日本に覆いかぶさるように作られていると指摘しました。

デカップリングは米中自身もどこまでできるか分からない
続けて、鈴木氏から、中国は対外強硬姿勢をとっている一方で、グローバルサプライチェーンに依存もしており、これら2つの中国像をどう説明するのかという質問がなされました。それに対し、秋田氏は、現在のサプライチェーンのつながりは政治面での対立に歯止めをかけるというよりも、むしろ中国と米国は互いに依存を減らす、デュアルデカップリングというような方向性にあり、サプライチェーンの依存が中国を不安にさせ、依存を減らそうとするサイクルに入っているとの見方を示しました。さらに、秋田氏は、ワシントンでの取材経験から、米国も中国に依存していることに不安感・切迫感を感じており、「どこまでデカップリングができるかは米国自身も分からないが、行けるところまで行かなければいけない」という勢いが見られるとの観察を示すとともに、危険な状態であるとの懸念を示しました。

当日はこの他にポスト習近平の中国、中国の国際社会における途上国的地位の問題、中国の価値観外交、中露関係の展望、「国家のDNA」に着目した日米中三カ国の分析についても議論がなされました。

当日の模様は以下よりご覧になれます。

<お問い合せ先>
一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)
API地経学研究所

 

 

 

API地経学オンラインサロン

1.日時
2021年7月10日(土)10:00 ‒ 11:00(JST)(9:50開場)

2.開催方式
オンライン視聴(ZOOMウェビナー)

3.主催
一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)

4.テーマ
「台頭する中国と米中関係」

5.登壇者
ゲスト:秋田 浩之 日本経済新聞社コメンテーター
ホスト:鈴木 一人 API地経学研究所所長代行・上席研究員 / 東京大学公共政策大学院教授

6.ゲスト(秋田浩之氏)の略歴
日本経済新聞社コメンテーター。1987年(昭和62年)入社。流通経済部、政治部、北京支局、ワシントン支局などを経て、2009年9月から、外交・安全保障担当の編集委員兼論説委員。2016年10~12月、英フィナンシャル・タイムズに出向し、「Leader Writing Team」で社説を担当した。2017年2月より現職。外交・安保分野を中心に、定期コメンタリーを執筆する。優れた国際報道に与えられる2018年度のボーン・上田記念国際記者賞を受賞。著書に、米中日関係の現状と行方を分析した「乱流 米中日安全保障三国志」(2016年 日本経済新聞出版社)、「暗流 米中日外交三国志」(2008年、同)がある。87年3月、自由学園最高学部卒。91年、米ボストン大学大学院修了(国際関係論)。2006~2007年、米ハーバード大学日米関係プログラム研究員。

(おことわり)
API地経学オンラインサロンで表明された内容や意見は、講演者やパネリストの個人的見解であり、一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)やAPI地経学研究所等、スピーカーの所属する組織の公式見解を必ずしも示すものではないことをご留意ください。