新型コロナ対応
東アジアの経験
未知の感染症Disease Xと
次なる健康危機への備え
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、世界に甚大な影響を与えた健康危機となった。この危機の間、東アジアの国や地域は新型コロナによる人口比死亡者数を他の国よりも比較的低く抑えてきた。そのため、東アジアがどのように新型コロナに対しリスク管理し、被害を抑制してきたかに、世界が注目してきた。
こうした状況を踏まえ、アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)は2020年から、東アジア諸国がどのように新型コロナに対峙してきたか、そのグッドプラクティスや教訓を世界に発信するため検証に取り組んできた。本プロジェクトは7つの国・地域ーー日本、シンガポール、ベトナム、韓国、台湾、タイ、香港ーーを対象とする。また新型コロナ対応のみならず、将来、世界に襲い掛かる可能性のある、致死性の高いコロナウイルス(COVID-X)など、未知の病原体によって流行しうる深刻な感染症、いわゆる「Disease X」への備えについても提言を行う。
新着情報
-
記事
2022年6月8日 / フォーサイト日本は次のパンデミックに耐えられるか|健康危機管理の司令塔創設により情報と政策を「統合」せよ
相良祥之
-
記事
2021年12月20日 / 東洋経済オンライン日本人の健康を守り切る為に求めたい6つの提言 ― 健康危機領域の経済安全保障に必要なことは何か
相良祥之
-
記事
2021年6月28日 / 東洋経済オンライン東アジア「ここへ来てコロナ感染急増」に映る難題ーー国境突破された各国に対し日本は何ができるか
相良祥之
変異株に国境を突破された東アジア各国が直面しているのは、日本が経験してきた課題。飲食店など街中に隠れた感染連鎖、国民のコロナ疲れ、そしてワクチン接種の遅れ。日本には、コールドチェーン整備支援と日本製ワクチン供与を主軸としたワクチン・サプライチェーン強靭化という、独自のワクチン外交の推進が強く求められている。
-
論考
2021年5月21日 / 『アステイオン』94号サントリー文化財団「危機管理としての日本のコロナ対応」
相良祥之
2012年、危機突破内閣を宣言して立ち上がった第二次安倍晋三政権が、憲政史上最長7年8か月の終盤に直面したのが、新型コロナという感染症危機であった。激甚災害、北朝鮮のミサイル発射、中国の領海侵入など危機管理を経験してきた安倍政権が、どうコロナ危機に対峙したのか。「コロナ民間臨調報告書」の内容を再構成しつつ、局所的なものにとどまった備え、「得体の知れない感染症」への初動、官邸の危機管理体制、国際機関経験者の活躍などについて論じる。
-
記事
2021年5月10日 / 東洋経済オンライン日本に「ワクチン供給網強化」が何より必要な訳ーー感染拡大、変異を止めるために何ができるか
相良祥之
- 危機管理としてワクチン接種を急いだイスラエル
- サプライチェーンのリング(輪っか)を繋ぐ難しさ
- 日本はワクチン・サプライチェーンの強靭化を急げ
- 安全保障にふさわしい予算の編成が必要
-
記事
2021年3月8日 / 東洋経済オンライン日本の危機を繰り返さない為に検証が担う重責ーー学びを途切れさせない「結び目」繋ぎ次に備えよ
相良祥之、向山淳、柴田なるみ
-
記事
2021年1月18日 / 東洋経済オンラインコロナ後「移動の自由」取り戻す為に必要なことーー必要なのは的確なリスク評価と迅速果断な政策
相良祥之
イベント
-
日本のガバナンスは何を学んだのか――フクシマ民間事故調とコロナ民間臨調が問いかけたもの
2021年2月27日
https://apinitiative.org/en/2021/02/10/16090/2011年3月11日の東日本大震災を機に発生した福島原発事故から、10年が経った。アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)の前身である日本再建イニシアティブは、独立・民間の立場から福島原発事故について検証した報告書(民間事故調報告書)を2012年に発表した。
2019年夏、APIは「福島原発事故10年検証委員会」(第二次民間事故調)を立ち上げた。事故発生後10年のフクシマの真実に今一度正面から向かい合い、民間事故調で提起した課題と教訓をおさらいし「私たちは何を学んだのか」を検証するためである。2021年2月19日、APIは『民間事故調最終報告書』を刊行した。
また民間事故調での検証の経験と方法論を援用し、APIは「新型コロナ対応・民間臨時調査会」(コロナ民間臨調)を発足させ、2020年10月、調査・検証報告書を発表した。
福島原発事故から10年、日本のガバナンスは、何を学んだのか。新型コロナという国家的危機に、その時の教訓は、活かされていたのか。本シンポジウムでは、民間事故調と民間臨調、二つの独立検証委員会に参画したメンバーを中心に、二つの危機の当事者や、こうした危機の検証にあたった専門家もお招きし、国家的危機が日本に問いかけたものを議論した。
新型コロナ対応・民間臨時調査会(コロナ民間臨調)
2020年7月、APIは日本の新型コロナウイルス感染症に対する対応を検証するため「新型コロナ対応・民間臨時調査会」(コロナ民間臨調)を立ち上げましたた。民間臨調は、2020年前半までの日本政府の取り組みを中心に検証しました。
コロナ民間臨調は、高い専門知識と見識を有する各界の指導的立場にある識者4名で構成する委員会のもと、個別の分野の専門家19名によって構成されるワーキング・グループを設置。委員会の指導の下、ワーキング・グループメンバーが安倍晋三首相、菅義偉官房長官、加藤勝信厚生労働相、西村康稔新型コロナウイルス感染症対策担当相、萩生田光一文部科学相はじめ政府の責任者など84名を対象に延べ102回のヒアリングとインタビューを実施、原稿を執筆、報告書を作成しました。行政官と専門家会議関係者等へのヒアリングとインタビューは、すべてお名前を出さないバックグランド・ブリーフィングの形で行いました。
2020年10月8日、民間臨調は菅義偉総理大臣に報告書を手渡し、日本記者クラブで記者会見を行い、報告書を公表しました。国会では報告書の内容に基づいた質疑がなされ、建設的な政策論議でご活用いただきました。そして、2021年1月には英語版の全文も公表しました。
2020年7月、APIは日本の新型コロナウイルス感染症に対する対応を検証するため「新型コロナ対応・民間臨時調査会」(コロナ民間臨調)を立ち上げましたた。民間臨調は、2020年前半までの日本政府の取り組みを中心に検証しました。
コロナ民間臨調は、高い専門知識と見識を有する各界の指導的立場にある識者4名で構成する委員会のもと、個別の分野の専門家19名によって構成されるワーキング・グループを設置。委員会の指導の下、ワーキング・グループメンバーが安倍晋三首相、菅義偉官房長官、加藤勝信厚生労働相、西村康稔新型コロナウイルス感染症対策担当相、萩生田光一文部科学相はじめ政府の責任者など84名を対象に延べ102回のヒアリングとインタビューを実施、原稿を執筆、報告書を作成しました。行政官と専門家会議関係者等へのヒアリングとインタビューは、すべてお名前を出さないバックグランド・ブリーフィングの形で行いました。
2020年10月8日、民間臨調は菅義偉総理大臣に報告書を手渡し、日本記者クラブで記者会見を行い、報告書を公表しました。国会では報告書の内容に基づいた質疑がなされ、建設的な政策論議でご活用いただきました。そして、2021年1月には英語版の全文も公表しました。