明治期から昭和の大戦にかけ、歴史学者・国際政治学者として世界平和の維持に尽力した朝河貫一の没後70周年を記念したシンポジウムが2018年10月20日、東京・六本木の国際文化会館(明石康理事長)の主催で開催され、船橋洋一理事長がパネル・ディスカッションの司会者として参加しました。
朝河貫一は1873年(明治6年)に福島県二本松市で生まれ、現早稲田大学を卒業して米国へ留学し、のちにイェール大学で日本人初の教授になりました。米国で研究を続けながら、日露戦争後に朝鮮半島や中国へ進出する日本政府の外交を批判し、日米開戦直前には米国大統領から天皇への親書の草案作成に関わるなど、米国で戦争阻止に心血を注ぎました。戦争中も米国にとどまり、戦後の1948年(昭和23年)にバーモント州で没しました。
いままた自国中心主義が広がり、各国のエゴがぶつかり合う恐れがでているなか、学者として平和のために勇気ある行動をとった朝河からなにを学ぶべきなのかを話し合うために、このシンポジウムは企画されました。
船橋理事長は「今、なぜ朝河貫一か」と題したパネル・ディスカッションを司会し、玄葉光一郎衆議院議員(民主党政権での元外相)、黒川清東大名誉教授、田中明彦政策研究大学院大学学長とともに、朝河の生涯と行動から得られる教訓と現在の世界について話し合いました。