【開催報告】APIラウンドテーブルを開催(第1回日米韓国民相互認識調査)


アジア・パシフィック・イニシアティブ(以下、API)は、2025年12月22日、東アジア研究院(以下、EAI)の理事長Chaesung Chun氏と名誉フェローのYul Sohn氏を迎え、ラウンドテーブルを開催しました。

本ラウンドテーブルの目的は、API、EAI、そして米国のKorea Economic Institute of America(以下、KEI)が共同で実施した「第1回日米韓国民相互認識調査」の結果を報告・議論することにて開催しました。

冒頭のセッションでは、日米韓三か国の協力関係を持続可能なものとする上で、本調査が各国の世論動向を精緻に把握し、将来的な戦略的関係を構築するための極めて重要な一石となることが強調されました。報告の部では、APIから神保が、EAIからはSohn氏が登壇し、それぞれの視点から分析結果の発表を行いました。

前半のセッションでは、主に日韓関係に焦点を当てた分析がなされ、両国の対米認識との比較報告も行われました。日韓関係の現状については、韓国側において対日感情について良い傾向が見られる一方で、日本側では依然として慎重な姿勢が維持されているといった認識の乖離が浮き彫りとなりました。また、文化交流面での好意的な評価や将来に対する楽観的な展望が一部で見られるものの、歴史的・政治的要因が依然として根深い懸念事項として存在していること、そして両国のリーダーシップによる今後の動向が注視されるべきである点が強調されました。さらに台湾情勢に関しても、三か国の世論はいずれも安全保障上のリスクを明確に認識しつつも、解決策としては軍事的関与よりも外交的調整を優先する姿勢が共通して示されました。

後半の討論セッションでは、参加者を交えた活発な質疑応答が行われ、日韓両国民の互いに対する社会的な認識から、対中・対台湾関係のあり方に至るまで、多角的な議論が展開されました。こうした対話を通じて、本調査が外交当局間の議論に留まらず、社会的な相互認識や民意に基づいた「持続可能な日米韓協力」の指標となり得ることが再確認されました。

今回のラウンドテーブルには、専門家や研究者のみならず、学生やビジネス界からも幅広い層の方々にご参加いただきました。三か国協力の将来的な可能性を深化させるだけでなく、政治、歴史、文化といった多層的な側面における相互理解を促進し、今後の三か国間のパートナーシップをより強固なものにする有意義な機会となりました。