アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)は、2025年11月19日、イタリア国際政治研究所(ISPI)のモレノ・ベルトルディ上級准研究員を迎え、EUが米国の「搾取型」超大国と中国の「依存型」超大国の狭間に置かれた現状について議論するラウンドテーブルを開催しました。
ベルトルディ氏は、EUが現状を克服するには制度統合の深化、事業モデルの改革、ハードパワーの強化が不可欠であり、国家主権と共有主権、輸出主導型成長と国内成長、単一市場の一体性と国家産業政策といった三つの二項対立への対応が鍵となると指摘しました。また、ドラギ報告書やレッタ報告書が示す通り、EUには政治・経済面での潜在力に見合う役割を果たすための統合深化が求められる一方、政治的実現性には課題が残ると説明しました。
今回のラウンドテーブルは、EUが直面する構造的課題と、東アジア—特に日本—への示唆を考える貴重な機会となりました。




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