2016年2月17日、米スタンフォード大アジア太平洋研究所(APARC)の「ショレンスタイン・ジャーナリズム賞」が発表され、日本再建イニシアティブ(RJIF)の船橋理事長が、その受賞者に選ばれました。2002年の創設以来、日本人が受賞するのは初めてのことです。
賞はもともと、アジアを拠点にしたアメリカ人ジャーナリストの優れた報道を称えるために創設されましたが、2011年以降、メディアの新たな役割を構築する上で重要な役割を果たし、報道の自由のための戦いの最前線にいる著名なアジア人ジャーナリストに対象を拡大しています。受賞に際し、船橋理事長はコメントを発表しました。
「ショレンスタイン・ジャーナリズム賞の受賞は、現代のアジア太平洋地域の変容を取材、報道してきた記者の一人として本当に身に余る光栄です。また、スタンレー・カーノー、ドン・オーバードーファー、ナヤン・チャンダといった戦乱のアジアを追跡した尊敬するジャーナリストが受賞した賞だけに、身の引き締まる思いがいたします。
私が国際報道に従事した過去40年近く、この地域に大きな戦争はありませんでした。私は、この地域の戦争を取材する従軍記者にならずに済みました。平和の時代の記者として――そして同時代人として――その尊さを思わずにはおれません。この地域の平和と安定と繁栄を維持するため、記者としてすべきことをこれからも考え、取り組んでいきたいと思います。
最後になりましたが、長年にわたり書く場を与えてくれた朝日新聞社に改めて感謝したいと思います。ひとえにお世話になった先輩と同僚、そして何よりも読者の皆様のおかげです。受賞の理由の一つに“In many ways, he was the heart and soul of what made the Asahi the great paper it is.” (多くの点で、彼は朝日新聞を今日のような偉大な新聞にした信念と精神そのものであった)(オーヴィル・シェル選考委員)と記されたことを私は何より嬉しく、また誇りに思います。」