カート・キャンベル前米国務次官補、マイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長/アジア・日本部長兼ジョージタウン大学准教授がRJIF特別招聘スカラーに就任しました。


 一般財団法人日本再建イニシアティブは、国際政治の最前線で活躍し、世界トップクラスの卓越した知識と経験を兼ね備えたカート・キャンベル前米国務次官補、マイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS) 上級副所長/アジア・日本部長を当シンクタンクの特別招聘スカラーとして迎え、『日米戦略ビジョンプログラム』を本格的に発足させます。

就任に先立ち、キャンベル氏は東日本大震災発災から2年を迎えた本年3月11日に当財団の招待で来日し、首相表敬訪問の他、政府要人、財界首脳及び有識者との意見交換を行いました。また、グリーン氏は2013年6~7月の2ヵ月間来日し、当シンクタンクにて、東アジアにおける地政学的変化の中での日米の新たな戦略的関係構築について研究を行う予定です。
キャンベル氏は、今年2月に米国務次官補を退任するまでの間、東アジア・太平洋担当として対日外交や対中外交などの責任者を務め、東日本大震災における米国の日本支援において重要な役割を果たされました。また、オバマ政権の「アジアへの回帰政策(Pivot to Asia)」構築の第一人者であり、現在も新米国安全保障研究所(CNAS)共同創設者及び共同議長、アジアグループ会長兼CEO等を兼任しながら対アジア外交の発展に貢献されています。
グリーン氏は、クリントン政権やブッシュ政権で日米同盟の強化にかかわり、特にブッシュ政権では米国家安全保障会議(NSC)日本、朝鮮半島、オーストラリア、ニュージーランド担当アジア部長、また同アジア担当大統領特別補佐官兼上級部長を歴任し、対アジア政策の構築をリードして来られました。米国における知日派としても知られています。
キャンベル氏、グリーン氏を特別招聘スカラーに迎え、当シンクタンク理事長の船橋洋一は、「米国のアジア戦略を考える際に民主党・共和党それぞれの重要人物である両氏を同時にお招きでき、大変光栄に思います。お二方と、日本の次の世代の外交・ 安保の専門家たちとが政策対話を重ねることで、新しい日米の戦略ビジョンを構築したいと考えます」とコメントしております。

また、就任にあたり、キャンベル氏は「RJIFの特別招聘スカラーに就任することを大変嬉しく、そして光栄に思います。北東アジアが世界経済の原動力でありながら、世界で最も危機迫る地政学的な課題をいくつも抱える今日、日米同盟は地域の安定と成長に欠かせない役割を担います。グリーン氏、船橋氏とご一緒できる機会をいただけて大変嬉しく思います」、グリーン氏は「日米同盟がアジア太平洋の安定にとってこれほどの重要性を持ったことは未だかつてありません。我々は、この日米同盟の基盤を徹底的にストレステストにかける必要があり、それは戦略的にそして独立した形で行われなければなりません。キャンベル氏と船橋氏と共に、こうしたRJIFの試みに参画できることを大変光栄に思います」と抱負を語っています。

本件連絡先:一般財団法人 日本再建イニシアティブ 050-3801-0386
担当:藤原 Email: mikiko.fujiwara@apinitiative.org

プレスリリース(PDF)

特別招聘スカラー 略歴

 カート・キャンベルKurt M. Campbell
(前米国務次官補 東アジア・太平洋担当
新米国安全保障研究所(CNAS)共同創立者および共同議長、アジアグループ会長兼CEO)

英オックスフォード大学で国際関係論博士課程修了。 米ハーバード大学ケネディ行政大学院にて准教授および同大学科学・国際問題センター副所長も務めた。米国防次官補代理(アジア太平洋地域担当)、国家安全保障会議(NSC)スタッフ・ディレクター、北米自由貿易協定(NAFTA)大統領特別顧問代理、財務省ホワイトハウス・フェローなどを歴任し、対アジア安全保障政策に従事。09年には東アジア・太平洋担当国務次官補に就任し、オバマ政権の「アジア回帰政策(Pivot to Asia)」構築に貢献。13年2月に国務次官補を退任と同時に戦略的アドバイザリー兼投資ファームThe Asia Group社を設立。現在は新米国安全保障研究所(CNAS)共同設立者および共同議長、The Asia Group 会長兼CEOを兼任する。

<著書>共著に『Difficult Transitions: Foreign Policy Troubles at the Outset of Presidential Power』や『To Prevail: An American Strategy for the Campaign against Terrorism』、『Hard Power: The New Politics of National Security』等、多数。現在、09年から13年までの国務次官補としての経験を綴った『The Pivot (仮)』を執筆中。


 マイケル・グリーン Michael J. Green
(米戦略国際問題研究所(CSIS) 上級副所長/アジア・日本部長
ジョージタウン大学准教授)

米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)博士課程修了。SAIS助教授、外交問題評議会フェロー、防衛分析研究所(IDA)研究員、米国防長官室アジア太平洋局上級顧問などを経て、01年に米国家安全保障会議(NSC)日本、朝鮮、オーストラリア、ニュージーランド担当アジア部長に就任した。さらに04年から05年まで同アジア担当大統領特別補佐官兼上級アジア部長を歴任。専門はアジア太平洋地域の政治外交、特に対日本、朝鮮半島、豪、印関係など。現在、豪ローウィ国際政策研究所のノンレジデント・フェロー等も兼任する。5年間日本に滞在経験があり、国会議員秘書、日系及び米国系新聞のジャーナリスト、米企業向けコンサルタントを務めた経験もある。日本語にも堪能。

<著書>『Japan’s Reluctant Realism: Foreign Policy Challenges in an Era of Uncertain Power』、『日米同盟― 米国の戦略』(勁草書房、1999年)『日中もし戦わば』(文藝春秋、2011年)など。
現在、米国の対アジア外交史について本を執筆中。