地経学研究所(IOG)主催シンポジウム「日英から見た経済安全保障」

地経学研究所(IOG、所長:鈴木一人)は2022年7月26日に国際文化会館にて、英シンクタンク・国際問題戦略研究所(IISS)から地経学部門ディレクター等を招聘したシンポジウム「日英から見た経済安全保障」を開催しました。

本シンポジウムは、2022年7月1日のIOG設立後、最初に開催した会合です。IISSからロバート・ウォード日本部長兼地経学・戦略担当ディレクターおよび越野結花安全保障・技術政策担当担当リサーチ・フェローをお招きし、「サプライチェーンの強靭化」「デュアルユース技術の管理と推進」をテーマに、国内の経済安全保障に強い関心を有する企業の代表、駐日英国大使館の経済・金融参事官、地経学研究所のエキスパートとの間で、議論を行いました。

基調講演
セッション1:サプライチェーンの強靭化
セッション2:デュアルユース技術の管理と推進
基調講演

セッション1:サプライチェーンの強靭化

セッション2:デュアルユース技術の管理と推進

基調講演
ロバート・ウォード 国際問題戦略研究所(IISS)日本部長 兼 地経学・戦略担当ディレクター

セッション1:サプライチェーンの強靭化

モデレーター:
神保 謙 国際文化会館常務理事・APIプレジデント

パネリスト:
ナオミ デイビス 駐日英国大使館 経済・金融参事官
守本 正宏 株式会社FRONTEO 代表取締役社長
相良 祥之 地経学研究所主任研究員

セッション2:デュアルユース技術の管理と推進

モデレーター:
鈴木 一人 地経学研究所長

パネリスト:
越野 結花 国際問題戦略研究所(IISS)安全保障・技術政策担当担当リサーチ・フェロー
日下部 聡 三菱電機株式会社 常務執行役
尾上 定正 地経学研究所 シニアフェロー



 
「日英から見た経済安全保障」イベントレポート

「インターナショナル・ハウス(国際文化会館)で講演できることを光栄に思います」。基調講演の冒頭、ロンドンに拠点を置く国際問題戦略研究所(IISS)の日本部長兼地経学戦略担当ディレクター、ロバート・ウォード氏は日本語で挨拶。欧州の視点から、ロシアによるウクライナ侵攻と経済安全保障をめぐる対応について語った。

ウォード氏は、経済安全保障が多くの国々で重要課題となった背景として、三つの点を挙げた。➀ 2018 年からの米中貿易戦争➁新型コロナウイルスのパンデミック➂ 2022 年のロシアによるウクライナ侵攻。➀により、サプライチェーンの脆弱性や先端技術競争などが意識され、➁によるサプライチェーンの混乱で、中国への過度な依存への危機感が高まり、ビジネス戦略ではレジリエンスが重視されるようになった。➂は欧州において第二次世界大戦以降最大の危機であり、安全保障の構造的変化を意味する。世界経済への影響も大きく、原油価格は1973 年の石油危機、穀物価格は第一次世界大戦が勃発した1914 年以来の上昇ぶりだ。「ロシアはエネルギーから食糧まで、あらゆる資源を武器化した」と語った。欧州の安全保障の重点地域が東方、北方に移り、黒海の地政学的重要性が増し、あらゆる当事者が核心的な利害を持つ点で、ここ数十年で最大の危機となった。今までの経緯を踏まえれば、交渉による解決は困難な見通しで、仮にロシアが勝利すれば、NATOやEU への信頼性の低下は免れない…(続きはこちらから)

イベントレポートはこちら(PDF)
 
 

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