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連載:中国の経済安全保障を考える(地経学ブリーフィング)
習近平政権による動態ゼロ・コロナ政策の維持と急速なその撤廃、あるいは台湾周辺での大規模軍事演習の断続的な継続は、日本社会の対中認識に大きな変化をもたらした。日中関係では従来、様々な政治的摩擦が発生しながらも、政経分離の共通認識と「グローバル化」の下で効率追求型の経済活動が継続し、サプライチェーンの一体化が進む構造にあった。しかし中国リスクへの懸念が高まった結果、経済的相互依存そのものが急速に変質しようとしている。
こうした中で十分な検討が進んでいないのが、中国による経済安全保障政策の検討である。日本では経済安全保障とは重要な物資・中間財における特定の国に対する――特に中国に対する――過度な依存を是正し、サプライチェーンの強靭化を図ることだとの防衛的な認識が共有されるようになった。これに対し米国の経済安全保障については、先行する特集プロジェクトにより、日本とは異なる認識を有することが示された。これに対応して中国においても、日本型の経済安全保障論とは異なり、米国による対中切り離しの議論の一端として理解されている。こうした日中間の認識ギャップを踏まえて本特集では、1)日本と中国の経済安全保障の議論にはどのような相違がみられるのか、2)「経済安全保障」という言葉を用いない中国で、実際にはどのような法的・制度的施策が実施されているのか、3)中国をとりまく経済安全保障の現状をどのように評価するか、を論じていく。
2023.02.13
顕在化している以上に高いリスクに望ましい対処
江藤 名保子 地経学研究所上席研究員兼中国グループ・グループ長
2023.02.13
顕在化している以上に高いリスクに望ましい対処
江藤 名保子 地経学研究所上席研究員兼中国グループ・グループ長
2023.02.13
官民間の人材面を含めた連携強化が焦眉の課題
町田穂高 地経学研究所主任客員研究員
2023.02.20
官民間の人材面を含めた連携強化が焦眉の課題
町田穂高 地経学研究所主任客員研究員
2023.02.27
中国は侮れないが、最先端半導体は「勝負あったか」
徳地立人 アジア・パシフィック・イニシアティブ シニアフェロー
2023.02.27
中国は侮れないが、最先端半導体は「勝負あったか」
徳地立人 アジア・パシフィック・イニシアティブ シニアフェロー
2023.03.06
「強国復権」目指すもネオ・チャイナリスクが台頭
柯隆 東京財団政策研究所主席研究員
2023.03.06
「強国復権」目指すもネオ・チャイナリスクが台頭
柯隆 東京財団政策研究所主席研究員
連載:ペロシ訪台後の中台関係と東アジア情勢のリンケージ(地経学ブリーフィング)
8月のペロシ米下院議長による訪台をめぐる評価は論者の視座によって大きくことなる。安全保障の観点からは、人民解放軍による大規模軍事演習は台湾海峡での継続的なプレゼンス増大へと推移しており、ペロシ訪台が中国軍に良い口実を与えたと評価されることが多い。しかし外交的には、実はそれまでに進んでいた中国の軍事的圧力の高まりと米国の静かな台湾防衛の積極化が表面化したに過ぎないとも言える。また中国の大規模軍事演習は、各国の台湾問題に対する警戒認識を呼び覚まし、国際社会への波及も広がっている。米国をはじめとする各国議員団の訪台の動きと、それに対する米中双方の対応は国際秩序をめぐる米中競争ともリンクする。ペロシ訪台の評価は、こうした複合的な観点からの検討を要するだろう。
ペロシ訪台から1カ月が経ち、短期的な軍事オペレーションの影響に加え、中長期的な波及効果も一定程度見えてきた。こうした中で9月から10月の地経学ブリーフィングでは、ペロシ訪台を受けた各アクター(台湾、中国、米国、日本)および東アジア国際情勢へのインプリケーションを検討する。台湾内部および中国国内ではどのような変化があり、それぞれの外交戦略に何らかの反映が見られるのか。台湾の統一地方選挙や次期総統選挙、中国での第20回党大会での議論に影響を及ぼすのか。そして東アジア国際情勢にはどのような変化があったのか。これらのテーマに関して、それぞれのお立場から論じていただく。
2022.09.36
シャープパワーに対応できる体制の構築が必要だ
黄偉修 東京大学東洋文化研究所 特任研究員
2022.09.26
シャープパワーに対応できる体制の構築が必要だ
黄偉修 東京大学東洋文化研究所 特任研究員
2022.10.03
軍事演習を正当化する口実を与えたのはマイナス
小笠原欣幸 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
2022.10.03
軍事演習を正当化する口実を与えたのはマイナス
小笠原欣幸 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
2022.10.10
ペロシ訪台後の行動に米国ひるまず、国内も失望
山口信治 防衛研究所地域研究部中国研究室主任研究官
2022.10.10
ペロシ訪台後の行動に米国ひるまず、国内も失望
山口信治 防衛研究所地域研究部中国研究室主任研究官
2022.10.17
台湾の意思を置き去りに「認識の対立」へと向かう
江藤 名保子 地経学研究所上席研究員兼中国グループ・グループ長
2022.10.17
台湾の意思を置き去りに「認識の対立」へと向かう
江藤 名保子 地経学研究所上席研究員兼中国グループ・グループ長
連載:日中国交正常化50周年(API地経学ブリーフィング)
API地経学ブリーフィングでは、2022年の日中国交正常化50周年を記念して、「中国を知る。日中を考える」シリーズを連載しました。
1972年の日中国交正常化からの半世紀を振り返り、この間、何が見えたのか、何が隠れていたのか、その課題をどうとらえたらよいのか。中国の対外的な行動・振る舞いを起こしている中国の論理は何なのか。それが国際社会にどういう意味を持つのか。日本はどうとらえ、どう対応すべきなのか。
18人の執筆者が、それぞれの専門領域での研究を踏まえ、中国の論理と生理に即して、改めて「中国を知る」(竹内好)ことで、中国の挑戦の本質をつかみ、中国との向き合い方を探求することを目指しました(肩書は当時)。
2022.02.14
国内の社会矛盾増大、習近平政権に焦燥が見える
阿古智子 東京大学大学院総合文化研究科教授
2022.02.14
国内の社会矛盾増大、習近平政権に焦燥が見える
阿古智子 東京大学大学院総合文化研究科教授
2022.02.21
経済的相互依存の深化が軍事的緊張の増大に
阿南友亮 東北大学大学院法学研究科教授
2022.02.21
経済的相互依存の深化が軍事的緊張の増大に
阿南友亮 東北大学大学院法学研究科教授
2022.02.28
噛み合わない米中2大国の相互認識とタイミング
川島真 東京大学大学院総合文化研究科教授
2022.02.28
噛み合わない米中2大国の相互認識とタイミング
川島真 東京大学大学院総合文化研究科教授
2022.03.07
共通の利益を模索するための戦略的選択が必要だ
及川淳子 中央大学文学部准教授
2022.03.07
共通の利益を模索するための戦略的選択が必要だ
及川淳子 中央大学文学部准教授
2022.03.14
「ゼロコロナ政策」への移行で疑問視される意義
倉田徹 立教大学法学部教授
2022.03.14
「ゼロコロナ政策」への移行で疑問視される意義
倉田徹 立教大学法学部教授
2022.03.21
「中華民族」という共同体のゆがみと日本の課題
平野聡 東京大学大学院法学政治学研究科教授
2022.03.21
「中華民族」という共同体のゆがみと日本の課題
平野聡 東京大学大学院法学政治学研究科教授
2022.03.28
習近平政権による「話語権」と価値の相克
江藤名保子 学習院大学法学部政治学科教授
2022.03.28
習近平政権による「話語権」と価値の相克
江藤名保子 学習院大学法学部政治学科教授
2022.04.04
西側民主主義陣営に対して宣伝戦を強化する事情
城山英巳 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授
2022.04.04
西側民主主義陣営に対して宣伝戦を強化する事情
城山英巳 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授
2022.04.11
ウクライナの反撃、ロシア経済制裁を目撃した今
松田康博 東京大学東洋文化研究所教授
2022.04.11
ウクライナの反撃、ロシア経済制裁を目撃した今
松田康博 東京大学東洋文化研究所教授
2022.04.18
中国は海洋監視能力の飛躍的な向上を図っている
益尾知佐子 九州大学比較社会文化研究院准教授
2022.04.18
中国は海洋監視能力の飛躍的な向上を図っている
益尾知佐子 九州大学比較社会文化研究院准教授
2022.04.25
カギを握る要素市場改革とこれからの中国経済
梶谷懐 神戸大学大学院経済学研究科教授
2022.04.25
カギを握る要素市場改革とこれからの中国経済
梶谷懐 神戸大学大学院経済学研究科教授
2022.05.09
経済の結びつき強い日中間の金融協力のあり方
岡嵜久実子 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
2022.05.09
経済の結びつき強い日中間の金融協力のあり方
岡嵜久実子 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
2022.05.16
正常化とは何を意味するか、日中関係の歴史的視座
岡本隆司 京都府立大学文学部教授
2022.05.16
正常化とは何を意味するか、日中関係の歴史的視座
岡本隆司 京都府立大学文学部教授
2022.05.23
戦後の日中経済史を振り返って見える変化
井上正也 慶應義塾大学法学部教授
2022.05.23
戦後の日中経済史を振り返って見える変化
井上正也 慶應義塾大学法学部教授
2022.05.30
日中関係と核兵器の半世紀、日本に求められる事
神保謙 MSFエグゼクティブ・ディレクター
2022.05.30
日中関係と核兵器の半世紀、日本に求められる事
神保謙 MSFエグゼクティブ・ディレクター
2022.06.06
「政経分離」の原則は何を境に霧消してしまったか
鈴木一人 上席研究員
2022.06.06
「政経分離」の原則は何を境に霧消してしまったか
鈴木一人 上席研究員
2022.06.13
成長をどう受け止め日米同盟とも整合性を図るか
細谷雄一 常務理事・研究主幹
2022.06.13
成長をどう受け止め日米同盟とも整合性を図るか
細谷雄一 常務理事・研究主幹
2022.06.20
日本に求められるパワーと国際秩序における役割
船橋洋一 理事長
2022.06.20
日本に求められるパワーと国際秩序における役割
船橋洋一 理事長
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